2003 Fiscal Year Annual Research Report
腸管出血性大腸菌の腸管粘膜付着を阻止するための粘膜ワクチン開発
Project/Area Number |
12470168
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西 順一郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40295241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 修治 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60175437)
吉永 正夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10145469)
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Keywords | 下痢原性大腸菌 / 腸管出血性大腸菌 / 腸管凝集性大腸菌 / バイオフイルム / ワクチン / 付着因子 / 外膜輸送蛋白 |
Research Abstract |
1.腸管凝集付着性大腸菌(EAEC)の外膜輸送蛋白AatAの構造・機能解析 我々がクローニングしたEAEC病原プラスミド上の新規外膜輸送蛋白AatAは,バイオフィルム抑制因子Aapを分泌する。AatAのC末端側のさまざまな変異体を作成し,発現ベクターに組込みその機能変化を観察した。その結果,C末端から10〜12番目のアミノ酸がAap分泌に重要であることが明らかになった。また英国ケンブリッジ大学Luisi教授との共同研究により,AatAは大腸菌外膜輸送蛋白TolCのホモログであることが明らかになった。 2.定量的バイオフィルム試験による下痢原性大腸菌の疫学的検討 我々が開発した定量的バイオフィルム試験を用いて,下痢症患者由来の大腸菌1042株のバイオフィルム形成能を調べ,48株のEAECを効率良く検出できた。検出株の遺伝子解析によりEAECのheterogeneityが明らかになり,未知の線毛遺伝子の存在が推測された。 3.大腸菌外膜輸送蛋白TolCとバイオフィルム形成との関連 腸管出血性大腸菌も保有する大腸菌外膜輸送蛋白TolC遺伝子を,EAECにおいてノックアウトすると,バイオフィルム形成が低下することを明らかにした。ノックアウト株にTolC遺伝子を導入することでバイオフィルム形成能は回復したため,TolCがバイオフィルム形成を促進していることが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishi J: "The export of coat protein from enteroaggregative escherichia coli by a specific ATP-binding cassette transporter system"J Biol Chem. 278(46). 45680-45689 (2003)
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[Publications] Sarantuya J: "Typical enteroaggregative Escherichia coli is the most prevalent pathotype among E.coli strains causing diarrhea in Mongolian children"J Clin Microbiol. 42(1). 133-139 (2003)
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[Publications] Yoshinaga M: "Who is at risk for cardiac events in young patients with long QT syndrome?"Circ J. 67(12). 1007-1012 (2003)