2002 Fiscal Year Annual Research Report
再生医工学的アプローチによる肝膵相関機構を応用したハイブリッド型人工肝臓の研究
Project/Area Number |
12470233
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (40091566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00204264)
河野 透 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60215192)
柿坂 明俊 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60194677)
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Keywords | 肝不全 / ハイブリッド人工肝臓 / 肝膵相関 / 肝細胞分化 / 肝膵移植 / 胎児肝、膵 |
Research Abstract |
肝臓は、生命維持に必要な物質の代謝産生機能や、生体に不要なあるいは有害な物質を除去する解毒排泄機能を有する重要な臓器である。肝臓の重篤な機能障害の究極の治療法は肝臓移植であるが、ドナー不足が最大の問題である。一方、肝臓は再生能力の旺盛な臓器であり、急性期の肝不全状態を何らかの方法で乗り切れば救命の可能性があり、人工的肝機能補助法の開発が期待される。生体材料を代謝のリアクターとしたハイブリッド人工肝臓の重要な開発要素は、使用する生体材料の素材と物質交換を行うためのモジュール化である。本研究では細胞のsourceと代謝システムについて肝膵相関機構に着目し、再生医工学的アプローチにより検討した。 1.生体材料の入手法 肝細胞および膵ラ氏島は酵素灌流消化法により、また、胎児肝、胎児膵は酵素溶液中での振盪法により採取した。ラットでの採取量は、肝細胞数は10^8、胎児組織は10^7のオーダーであった。 2.肝・膵細胞相関による肝機能の再現 成体および胎児から得られた肝・膵細胞・組織の機能を共培養あるいは共移植により検討した。共培養ではコントロールに比し軽度良好な形態を示した。 3.細胞sourceとしての骨髄由来細胞の検討 ドナー不足対応として、骨髄細胞の肝細胞への分化の可能性と凍結保存法について検討した。 以上のことより、肝膵細胞の共培養、共移植による機能補助能の再現と、骨髄細胞の肝細胞への分化が確認された。今後、膵細胞への分化の可能性と、ハイブリッド型人工肝臓への適用性について検討を進める予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 澤 雅之: "人工肝臓開発の現況"外科治療. 82(2). 189-194 (2000)
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[Publications] Kasai Shinichi: "Artificial liver support using floating hepatocytes"Geka(Surgery). 63(5). 522-527 (2001)
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[Publications] 小野寺 一彦: "肝細胞移植と肝の再生医学"日本アフェレーシス学会雑誌. 21(2). 127-131 (2002)
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[Publications] 中澤 文朗: "臨床応用のための凍結保存ヒト肝細胞"医学のあゆみ. 201(11). 827-831 (2002)
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[Publications] Arikura Jun: "UW solution : a promising tool for cryopreservation of primarily isolated rat hepatocytes"J.Hepatobiliary Pancreat Surg. 9. 742-749 (2002)