2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子徐放性生体吸収材料による組織再生誘導型人工気管の研究
Project/Area Number |
12470276
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
山本 恭通 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (50314927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 慶彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00027111)
山内 清明 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00291427)
横見瀬 裕保 香川医科大学, 医学部, 教授 (80231728)
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Keywords | 組織再生 / 人工気管 / 骨形成蛋白(BMP-2) / 生体材料 / ゼラチン / コラーゲン |
Research Abstract |
本研究の目的は生体内で吸収され、その過程で自己組織の再生を誘導し、気管組織の高次構造の再構築とその機能を代行する人工気管を作成することである。生体内吸収性材料である生体高分子のコラーゲンやゼラチンを加工し、これに増殖因子を付加した人工気管を移植するとこれら材料の吸収過程で増殖因子が徐放される。これまでにこれらの生体材料を移植し関節軟骨の再生、皮下組織での異所性軟骨誘導に成功している。今年度の実績としては、イヌ頚部気管軟骨を一部切除しその間隙に骨形成蛋白であるBone Morphogenetic Protein(BMP)-2を徐放化した塩基性ゼラチンスポンジを移植したところ、移植後1ヶ月で軟骨の再生が認められ、頚部気管においてもBMP-2徐放ゼラチンが軟骨再生を誘導することが確認された。また、徐放BMP-2の濃度を高くすることと、自己骨膜での移植部位の被覆により骨を含む硬組織により切除気管軟骨は橋渡しされ、気管内腔が咳嗽時にも虚脱せず、十分な力学的強度を保つことが証明され、気管軟化症の治療の一助となることが確認された。低濃度BMP-2徐放ゼラチンスポンジにより誘導された軟骨組織は幼若で、周囲組織に存在する線維芽細胞から形質転換したことを示唆する病理学的、組織学的結果も得られた。来年度の研究計画は、このBMP-2徐放ゼラチンとコラーゲンスポンジを複合させた人工気管で、気管軟骨再生はBMP-2徐放ゼラチンで行い、その内腔面にコラーゲンスポンジで誘導される気管上皮を再生させることである。
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