2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍のバイオマーカーの探索とその診断・治療への応用
Project/Area Number |
12470293
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
田渕 和雄 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 誠 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20325608)
萩原 直司 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90281203)
白石 哲也 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (70206275)
有國 尚 サイファージェン, バイオシステムズ(株), 所長
鈴山 堅志 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20325624)
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Keywords | 髄芽腫 / 髄液 / SELDI-TOF mass spectrometry |
Research Abstract |
プロテインチップは飛行時間型質量分析計(SELDI-TOF MS)と2次元表面修飾チップを組み合わせた新しいプロテオーム解析システムである。我々はこのプロテインチップを、髄芽腫の髄液バイオマーカーの検出に応用した。 材料は正常1例、髄芽腫2例の症例から採取した髄液を用いた。髄液1μlを疎水性チップH4と陰イオン交換チップSAX-2にスポットし、室温で2時間反応させた。その後H4-chipは10%あるいは50%アセトニトリル溶液にて、SAX-2はpH3.5あるいはpH4.5の緩衝液で洗浄した。チップ上に捕捉された蛋白質をSELDI-TOF mass spectrometryで質量とイオン強度を測定し、Peaksプログラムで蛋白質の発現を検討した。 H4チップを用いてサンプルの濃度や洗浄条件などの検討を行った。その結果、サンプル濃度は、採取した原液濃度が適当であり、一部の夾雑物を除くために水洗浄を付加することが適切であることが判明した。 また、髄液中に含まれる大量のアルブミンにより微量蛋白質の検出に支障をきたす可能性があるため、アルブミンを除去する条件を検討する必要性が明らかとなった。 SAX-2ではpH3.4の緩衝液による洗浄条件にて、H4では10%アセトニトリル溶液での洗浄によりアルブミンを溶出させることが可能となった。 上記の条件で髄芽腫患者髄液を測定したところ、SAX-2チップにて11551Da,11709Da,H4チップにて8071Da,8481Da,8695Da,9290Da,9350Daの部分に正常患者髄液とは異なったピークが認められた。また、術後化学療法前の髄液では11591Da,11743Daのピークが認められたが、化学療法後はそのピークが消失し、正常髄液のデータに近いピークとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 古田誠,白石哲也,上田茂雄,鈴山堅志,田渕和雄,深瀬優,有國尚: "SELDI-TOF mass spectrometry(Protein Chip)を利用した髄芽腫の髄液バイオマーカー同定の試み"神経免疫研究. 13. 61-65 (2000)