2000 Fiscal Year Annual Research Report
重力・荷重による骨の細胞増殖及び分化調節機構の解明と制御法の開発
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12470313
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 龍史 産業医科大学, 医学部, 助手 (50309960)
酒井 昭典 産業医科大学, 医学部, 講師 (90248576)
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Keywords | 非荷重 / 再荷重 / 骨髄細胞 / 骨芽細胞 / iNOS / NO / 尾部懸垂 / マウス |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、inducible nitric oxide synthase(iNOS)の、非荷重と再荷重時における骨髄基質細胞から骨芽細胞および骨細胞の分化過程に及ぼす効果を、組織と細胞レベルで明らかにすることである。8週齢の雄性、iNOSノックアウトマウス(-/-)を用い、尾部懸垂により、1週間の非荷重、その後2週間の再荷重実験を行い、wild typeマウス(+/+)と比較した。 脛骨近位二次海綿骨量は、非荷重後1週で、iNOS(+/+)と(-/-)は同程度に有意に減少した。再荷重で、iNOS(+/+)は、正常荷重群レベルまで回復したのに対し、(-/-)は低下したままであった。骨形成率は、非荷重後1週で、iNOS(+/+)と(-/-)は同程度に低下した。再荷重で、iNOS(+/+)は、正常荷重群レベルまで増加したのに対し、(-/-)は低下したままであった。再荷重時に、iNOS(+/+)にNOS inhibitorであるaminoguanidineを投与すると、骨量と骨形成率は低下したままであった。一方、再荷重時に、iNOS(-/-)にNO donorであるnitroglycerinを投与すると、骨量と骨形成率は、正常荷重群レベルまで回復した。 骨髄細胞培養で、osteogenic noduleは、非荷重後1週で、iNOS(+/+)と(-/-)は同程度に減少した。再荷重で、iNOS(+/+)は正常荷重群レベルまで回復したのに対し、(-/-)は低下したままであった。 結論:1)非荷重による骨量減少、骨形成低下は、iNOSに依存しない。2)尾部懸垂後の再荷重時の骨形成促進には、iNOS由来のNOが必須である。
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[Publications] T.Nakamura,A.Sakai, et al.: "Recovery of bone mass, trabecular bone turnover and marrow cell development in mice tibia by reloading after tail-suspension."Journal of Musculoskeletal and Neuronal Interactions. 1・1. 73 (2000)