2002 Fiscal Year Annual Research Report
グループスタディによる小児肝癌の治療確立をめざした生物学的予後因子の研究
Project/Area Number |
12470372
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大沼 直躬 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50125910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋都 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50180815)
林 富 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125638)
佐々木 文章 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40178661)
中川原 章 千葉県がんセンター, 生化学部, 部長 (50117181)
檜山 英三 広島大学, 医学部, 講師 (00218744)
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Keywords | 肝悪性腫瘍 / 薬剤耐性 / MDR1 / MRP / CMOAT |
Research Abstract |
JPLTプロトコールではシスプラチンとアドリアマイシンの併用療法により、これまで治療成績を上げてきた。しかし、当初より抗癌剤抵抗性の腫瘍やプロトコールの途中で再燃して来る腫瘍も少なからず存在する。これらの腫瘍では初発時または、抗癌剤投与後に薬剤耐性を獲得している可能性が強い。MDR1 (multidrug resistant protein), MRP (multidrug resistance-associated protein)は、アドリアマイシンを含む多剤耐性に働く遺伝子で、cMOAT/MRP2(canalicular multispecific organic anion transporter)は、シスプラチン耐性に関与する遺伝子である。我々はこれらが肝芽腫の薬剤耐性に関与している可能性を以前に報告した。本年度の研究ではJPLTに登録された多数の検体におけるこれらの遺伝子の発現を解析し、retrospectiveに臨床的経過との関連を検討した。 方法と対象:Total RNA 5μgより、random hexamerを用いてcDNAを合成し、このうち1/100量に対して内部コントロール(β2-microglobulin)を用いた定量的RT-PCRを行った。対象はJPLTに登録された48例の肝悪性腫瘍である。 結果:MRPは肝悪性腫瘍では発現レベルが極めて低く、検討の対象外であった。CMOATは、48例中22例に発現が認められたが、特定の傾向は認められなかった。MDR1は、48例中13例で発現を認め、化学療法を受けた後の検体で、発現している頻度が高かった。また、進行症例で発現頻度が高く、予後との明確な関連は明らかに出来なかったが、肝悪性腫瘍の治療計画を考慮するうえで、重要なマーカーになると思われた。
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Research Products
(1 results)