2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症好発年齢期における顎機能の経年的変化と発症の関係
Project/Area Number |
12470423
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤澤 政紀 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00209040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 卓哉 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (90306035)
石橋 寛二 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (90018771)
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Keywords | 顎関節症 / 口腔内診査 / 問診票 / 下顎運動 / 筋電図 / 心理テスト / 前向きコホート / 自然経過 |
Research Abstract |
4年計画の初年度にあたる本年度は、20歳代の健常者80名を対象に、問診票(顎関節症の有無、既往、生活習慣、健康調査、口腔悪習癖、嗜好等)による調査、口腔内所見(欠損状態、咬合状態、歯列不正、開口量測定等)、心理テスト(CMI,SDS,MAS,Y-G,INV,TEG,Life Events and Life Changes)、下顎運動測定、咀嚼筋筋電図検査、咬筋圧痛閾値測定を行った。 本研究では5年間の自然経過を追う予定であるが、以前から収集していたデータを元に、追跡期間の中間となる2.5年経過時の59人のデータも本年度に収集できた。この59人の中で、初年度に顎関節症状を認めたものは5名、2.5年後に新たに顎関節症状を訴えた者が11名であった。有病率が約20%と他の報告とほぼ同じ頻度であり、調査対象が一般集団を反映したものであるとみなして差し支えないことが示された。問診票の結果から、新たに顎関節症状が出現した者では、外傷の既往が関与していた傾向が窺えた。 初年度および2.5年経過時の2回にわたり下顎運動測定を行った27名に対して、切歯点および左右顆頭点の移動量に関する経年的変化を比較すると、新たに顎関節症状を認めた5名は、2.5年後で顆頭移動量が有意に減少し、特に顎関節痛を訴えた1名は信頼区間から逸脱する値を示した。 調査対象者数および経過年がまだ十分でないことから、現段階で確固たる結論を述べることはできないが、健常者の自然経過を追う前向き調査を行うための調査体制を確立し、分析方法に目処をつけることができたことが本年度の成果といえよう。 次年度以降さらに調査を進め、本研究期間中に5年経過時のデータ収集を行う予定であり、収集データを分析結果から、顎関節症発症に関する寄与因子を検索し予防手段を講じる上での根拠となりうる結果を得られることが期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 佐々木収,藤澤政紀,神田尚典,石橋寛二: "触診時圧痛測定システムの臨床応用に関する検討"日本顎関節学会雑誌. 12・1. 21-26 (2000)
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[Publications] 浅野明子,黄川田康人,藤澤政紀,栗橋龍一,塩山司,石橋寛二: "顎関節症患者における心理特性と治療効果の関連"日本歯科心身医学会雑誌. 15・2. 137-142 (2000)
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[Publications] 鈴木卓哉,藤澤政紀,金村清孝,長尾亜希子,石橋寛二,青村知幸,工藤啓吾: "関節洗浄マニピュレーション前後における下顎運動解析"日本顎関節学会雑誌. 12・3. 361-367 (2000)
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[Publications] 長尾亜希子,金村清孝,鈴木卓哉,佐藤真,藤澤政紀,塩山司,石橋寛二: "関節円板前方転移症例における前方滑走運動時の顆路傾斜角"日本補綴歯科学会雑誌. 44・6. 814-820 (2000)
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[Publications] 藤澤政紀,鈴木卓哉,金村清孝,長尾亜希子,石橋寛二: "咬合位を前方治療位に設定した関節円板前方転位症例"日本補綴歯科学会雑誌. 45・1. 23-31 (2001)