2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470456
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
石川 博之 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (20184492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清末 晴悟 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60225092)
下田 恒久 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (00216128)
本田 武司 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (60099067)
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
斉藤 敏昭 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (30195995)
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Keywords | 唇顎口蓋裂 / 口蓋形成手術 / 瘢痕組織 / レーザードップラー / 血流計測 / 超音波診断 |
Research Abstract |
今年度は、非接触式レーザードップラー血流計を用いた唇顎口蓋裂患者の口蓋部術後瘢痕組織の分布の解析、ならびに超音波診断装置を用いた口蓋部瘢痕組織の厚さの計測について、基本的な計測方法の確立を目指して研究を行った。 まず、口蓋部瘢痕組織の分布の解析については、非破裂者3名および矯正治療中の片側性唇顎口蓋裂患者3名を対象に、非接触式レーザードップラー血流計を用いて、大口蓋孔相当部粘膜の圧迫と開放に伴う口蓋粘膜各部の血流量変化を計測した。その結果、非破裂者では、口蓋粘膜の全域にわたり大口蓋孔相当部粘膜の圧迫に伴う血流量の減少が認められたが、片側性唇顎口蓋裂患者の口蓋粘膜では、血流量の減少が認められた部位と認められない部位が存在した。片側性唇顎口蓋裂患者におけるこのような血流量の減少が認められない部位では、組織血流量がもともと低下した状態にあると考えられ、瘢痕組織の分布領域であることが推定された。以上より、非接触式レーザードップラー血流計を用いることで、歯列歯槽部の変形が複雑な症例においても、口蓋部瘢痕組織の分布を解析できることが確認された。 次に、口蓋部瘢痕組織の厚さ計測については、非破裂者3名および口蓋裂患者3名を対象に、超音波診断装置を用いて上顎第二大臼歯口蓋側歯頚部粘膜の厚さを計測した。その結果、口蓋裂患者の同部位の粘膜は非破裂者に比べて平均3.5mm厚く、このことは口蓋形成手術後の瘢痕組織の形成によるものと推察された。
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