2000 Fiscal Year Annual Research Report
TCPシートのレーザアブレーションによるエナメル質の再石灰化
Project/Area Number |
12470465
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
秋山 哲夫 奥羽大学, 歯学部, 講師 (20083404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 忠蔵 奥羽大学, 歯学部, 教授 (70083441)
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Keywords | エナメル質 / 再石灰化 / TCPスラリー・シート / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
サブミクロン粒子の第三リン酸カルシウム(TCP)から作成した薄膜(シート)をエナメル質に密着剤で貼付け,レーザ照射によるレーザアブレーションのエナメル質再石灰化に及ぼす影響を観察した。 TCPシートの作成は,精製水に10%TCPスラリーを20%,寒天末を1%,バレイショデンプンを1%加え,85℃で加温・溶解する。これをプラスチックシャーレにシート厚さが30〜60μmになるよう適量流し込み,37℃で18時間,乾燥・熟成を行って,約5mm角に裁断して用いた。TCPシートをエナメル質に貼付ける密着剤として,5%CMC,0.3mMHAp溶液,75%HApのそれぞれを用いた。抜去永久歯の表層を約200μm除去してから,通法の研磨処理よって同一歯から2片のエナメル質試験片を作成した。それを0.1M乳酸緩衝液(0.3mMHAp,pH4.5)中で4時間脱灰した。エナメル質試験片の一方は,TCPシートを貼付けレーザ照射を行った同時作用群,他片は貼付けのみの対照群とした。同時作用群と対照群の一部は,さらに人工唾液に浸漬(4週間)し,再石灰化への影響について観察した。レーザ照射は,CO_2レーザ(OPELASER-03S,YOSHIDA)を用い,その照射条件は,0.8〜1.0Wで1sec.とした。 CO_2レーザ照射(0.8〜1.0W,1sec.)でTCPシートがレーザアブレーションを起こし,エナメル質表層にアブレーションプルームを形成した。そのプルーム形成は,TCPシートの厚さと密着剤の種類に強い影響を受けた。また,その後の人工唾液浸漬によって,アブレーションプルームが鮮明な再石灰化層像に移行する可能性が示唆された。
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