2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470484
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
佐藤 雅之 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80004654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 由美子 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (20295546)
岩本 憲人 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (50254256)
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Keywords | ケテン / シクロファン / 熱分解 / 不斉認識 / 光学分割 / 面性不斉 |
Research Abstract |
イソシアナート,ケテン等のへテロクムレン体は特異な反応性を示すことから,合成及び理論化学両面で注目されてきた.しかし,これらのへテロクムレン誘導体は極めて高い反応性をもつため,それらの合成,単離が困難であった.我々は6員環状化合物の熱あるいは光化学的環開裂反応によるヘテロクムレン誘導体の生成法並びにそれらの合成化学的利用方法を研究し,以下の成果を挙げた. 1.二分子の4-オキソ-1,3-ジオキシンの6位,あるいは5位をメチレン基あるいはオリゴエチレングリコール単位で結合したビスジオキシノン体を加熱することにより,対応するビスアシルケテンを定量的に生成させることに成功した. 2.スペーサーで結合されたビスアシルケテンは自動的に分子内4+2付加環化してシクロファン誘導体を効率良く生成した. 3.この手法で合成したシクロファンを活用して,高い分子認識機能をもつ大環状化合物を開発した.すなわち,シクロファン自身の面性不斉をキラルアミンの光学分割剤に活用できた.また,不斉Lewis酸触媒並びに面性不斉4-ジメチルアミノピリジンを合成できた. 4.ビスアシルケテンと二官能性求核試薬との分子間1:1付加により,大環状化合物を効率良く合成できた.さらに,ビスアシルケテンの分子間付加反応を活用し,ビスウラシルなどの複素環化合物を極めて容易に合成する方法も開発した. 5.Meludrum酸,その含窒素同属体である1,3-オキサジン4,6-ジオン体も加熱により分解し,対応するケテン類を生成することを見い出した.
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