2000 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者の死への気づきや死への準備と死別後の心理や適応との関係
Project/Area Number |
12470543
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 淳子 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20231954)
宮田 留理 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (00244773)
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (80199322)
大川 宣容 高知女子大学, 看護学部, 助手 (10244774)
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Keywords | 終末期がん患者 / 家族の死への気づき / 家族の死への対処 / 死への気づきへの反応 |
Research Abstract |
終末期がん患者の家族が、患者の死が近いことをどのように気づき、その気づきに対してどのような反応を経験し、また対処しているかを明らかにするために、がんで家族員(配偶者、親)を失った11名の家族を対象に、半構成的面接法を用いてデータ収集を行い、質的・帰納的分析法を用いて分析を行った。その結果、家族の気づきとして【状態変化への気づき】と【死が近づいているという気づき】の2カテゴリーが抽出された。死への気づきに対する反応として、患者の死は免れないという現実に直面し無意識的に感覚や心が動く【死への過程に対する衝動】と【予期的悲嘆】、状況に圧倒され患者のためにできることの限界を感じる【家族の限界の実感】、どんな状態にあっても、ずっと生きて欲しいと切実に願い求める【生への希求】、家族が揺らぎながらも、患者の経過を家族なりに病状や様子から感じ取る【死の過程の関知】、患者の心身が最期まで安楽であることを強く望む【死にゆく人の安寧の切望】患者や家族の成り行きが見通せない状況に陥る【不確かな状況への没入】、死にゆく患者や周りの人々との相互作用を通して、当たり前のことの大事さに気づく【看取りからの発見】の8カテゴリーが抽出された。家族対処として、患者の状態を自分なりに理解し把握する【状況を把握/理解する】、患者にとって最善だと思うことに向かって全力で行う【患者に最善を尽くす】、現実に向かい、自分自身の気持ちやエネルギーを調整し保つことを意味する【自分自身を保つ】、家族で協力し家族全体で乗り越えようとする【家族の力を合わせる】、今を乗り越えるために、家族の持つサポートを活用する【サポートを得る】、残された時間を意識しながら患者との関わりを重ね、より深い結びつきを造り上げる【患者との関わりを充実させる】、心の準備や死後必要な事柄の準備をする【死に対する準備をする】の7カテゴリーが抽出された。
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