2001 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者の家族の死への気づきや死への準備と死別後の心理や適応との関係
Project/Area Number |
12470543
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Research Institution | KOCHI WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 淳子 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20231954)
宮田 留理 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (00244773)
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (80199322)
大川 宣容 高知女子大学, 看護学部, 助手 (10244774)
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Keywords | 終末期 / がん患者の家族 / 死への気づき / 家族対処 / 死への気づきへの反応 / 家族援助 |
Research Abstract |
終末期がん患者や家族の死亡前の状況が、死別後の家族の適応にどのような影響を及ぼしているかを明らかにするために、がんで家族員(配偶者、親、子ども)を失った後4〜12ヶ月経過した87名の家族を対象に、研究者が作成した質問紙を用い調査を行った。質問紙には、対象者のデモグラフィックデータ、死亡前の状況(患者の状況、家族の死への気づき、サポートの有無)や死別後の状況(悲嘆の心理、身体的健康状態、抑うつ、サポート、周囲の人達との関係、現在の生活状況等)に関する項目を含めた。分析の結果、対象者の年齢は33〜81歳(平均60歳)で、故人の年齢は39〜87歳(平均64.2歳)で、配偶者が85%を占めていた。家族の死への気づきに関して、死への気づきに深く関与していた項目は、"やせ衰えてきた"と"食べられなくなってきた""手遅れで治療できない"であり、"もう駄目だという"という患者の言葉は差し迫った死への気づきに関係していた。家族の死別後の悲嘆に関して、死別直後の悲嘆の得点が高い人ほど、4〜12ヶ月経過した現在の悲嘆の得点は有意に高く、抑うつ得点も高い傾向にあった。また、現在の悲嘆の得点が高い人ほど、現在の健康状態も悪いと捉えており、周囲の人との関係が変化していると捉え、また家族との関係に満足していないことがわかった。独居のグループやサポートが期待していたよりも少なかったと感じているグループの方が、現在の悲嘆や抑うつの程度が有意に高いことが明らかになった。一方、必要なときにサポートを得る人がいると答えたグループや故人のいない生活に慣れたと感じているグループの人達の方が、死別時と現在の悲嘆の程度は有意に低く、抑うつの程度も低かった。の方が、現在の悲嘆の程度や抑うつの程度が有意に低かった。これらの結果から、死別後の悲嘆の過程を円滑に進ませていくための援助の方法について考察を加えた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大川宣容, 藤田佐和, 宮田留理, 東郷淳子, 豊田邦江, 吉田亜紀子, 鈴木志津枝: "終末期がん患者の家族の死の気づきに対する反応"高知女子大学看護学部紀要. 51巻. 1-12 (2002)
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[Publications] 東郷淳子, 宮田留理, 藤田佐和, 大川宣容, 豊田邦江, 吉田亜紀子, 鈴木志津枝: "終末期がん患者の家族の死への気づきへの対処"高知女子大学看護学会誌. 27巻1号. (2002)