2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12480013
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
伊藤 雅充 日本体育大学, 体育研究所, 講師 (20307995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 正治 日本体育大学, 体育学部, 教授 (60112976)
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Keywords | 常圧・低酸素 / 内分泌系 / 動脈血酸素飽和度 / エリスロポエチン / ストレス |
Research Abstract |
近年、様々なスポーツトレーニング現場で積極的に用いられるようになってきた常圧・低酸素室でのトレーニング効果について、平成14年度は1日10時間で6日間の低酸素室居住を行わせた際の受動的効果についての研究を行った。 酸素濃度を14.9%に設定した常圧・低酸素環境下での暴露により生体に及ぼされる生理・生化学的な影響をみるとともに、低酸素室での6日間連続暴露と3日間を2回の反復暴露を行わせた場合の内分泌系(造血系、ストレス系等)に及ぼす影響について比較検討することを目的とした。被験者は定期的に運動を行っている男性6名であり、3名ずつ連続暴露群と反復暴露群とに分けた。起床時に心拍数、動脈酸素飽和度、血圧測定および採血を行った。低酸素暴露前に通常酸素環境下で同様の測定を行い、その値をコントロール値とした。その結果、コントロール値と比較して低酸素暴露1日目に動脈血酸素飽和が減少していた。エリスロポエチン濃度は低醗素暴露1日目から3日目にかけて増加した。その他の血液性状は個人差が大きく、大きな変化は認められなかった。群間ではそれぞれの項目で両群ともに同じような傾向を示した。 常圧・低酸素室に暴露させることによる心拍数や動脈血酸素飽和度の変化といった生理的影響やエリスロポエチンの増加についての報告は多くされている。しかし、低酸素刺激によるストレス応答や免疫応答等といった身体に関わる要因をあわせて、低酸素暴露が生体に及ぼす影響をみていく必要がある。今後は、被験者数を増やして傾向をみるとともに低酸素環境が免疫応答に及ぼす影響についてもさらに検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 奥村真理, 宮本英美子, 伊藤雅充, 浅見俊推: "常圧・低酸素環境下での居住が生体に及ぼす影響-酸素濃度の違いによる相違-"トレーニング科学. 15・1(予定). (2003)