2000 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア熱帯林泥炭層に記録される気候変動プロキシの解読
Project/Area Number |
12480144
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 尚史 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (50250501)
大田 啓一 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (80022250)
田上 英一郎 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (50133129)
|
Keywords | インドネシア / 気候変動 / 泥炭 / 花粉 / 煤 / 同位体 / 放射性炭素 / バイオマーカー |
Research Abstract |
インドネシア科学院陸水学研究所、地質工学研究所、インドネシア鉱物エネルギー庁地質開発研究センター第4紀研究センターと泥炭、樹木試料採取地点、調査研究協力についてそれぞれの施設を訪問し協議を3回行った。候補地としてジャワ島バンドン市周辺の火口湖、ジャワ島西端部のDanau Danu湖、スマトラ島西岸列島群のSiberut島国立公園、東カリマンタンSamarinda近郊のMahakam川河口域をインド洋モンスーン、ENSO、オーストラリアモンスーンの勢力変動の記録を得る候補としてさらに詳細な情報(先行研究、地質学水文学的妥当性、アクセスビリティー、治安、安全性)を収集することにした。8月乾季にDanau Danu湖で新たに現地開発した泥炭コアー掘削機で1.7メートルの柱状試料を得ている。有機物含有量2.6から54.8パーセント有機炭素同位体比27.2-29.2パーミルの変動を確認している。この試料を用いて、花粉分析、煤状炭素、有機バイオマーカー分析の測定法の確立を図っている。 煤状炭素の存在量、同位体分析の検討は化学組成が均一でないため特に詳細に行っている。硝酸、クロム酸による酸化抽出法で再現性のよい結果が得られるように条件検討を進めている。現在のところ0.1パーミル以内の炭素同位体測定精度が得られる様になっている。今後標準添加で絶対値(正確さ)確認を行う。放射性炭素年代測定は第4紀研究センターの施設を利用してインドネシア研究者に行われるよう手配した。キャリブレーションは日本原子力研究所のAMS(陸奥事業所)で行う。研究は予定通り進行中である。
|