2001 Fiscal Year Annual Research Report
大気境界層における超微粒子生成機構:弱電離気体中の核生成
Project/Area Number |
12480151
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長門 研吉 高知工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80237536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 元明 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (40100177)
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Keywords | 超微粒子 / イオン核生成 |
Research Abstract |
ドリフトチューブ型イオン移動度/質量分析装置を用いて高純度空気にα線を照射して生成するイオンの質量スペクトルおよび移動度スペクトルの測定を行い、イオン-分子反応に対する水蒸気の役割と、SO_2やNH_3などを添加した場合のイオン-分子反応の解析を進めた。濃度が調整された混合ガスを^<241>Amによって電離し、生成したイオンをドリフトチューブ内で一定時間反応させた後、四重極型マスフィルターを用いて分析した。また混合ガスを切り替えてCluster-DMA粒径測定装置に導き、生成した帯電粒子の移動度分布測定も行えるように実験システムの拡張を行った。 ドリフトチューブ内でのイオン-分子反応に対する水蒸気量の影響を調べるために、ボンベの高純度空気に水蒸気を加えた場合の質量スペクトル測定を行った。水蒸気量が少ない場合O_2-(H_2O)_n、CO_3-(H_2O)_n、CO_4-(H_2O)_n、NO_2-(H_2O)_nなどが主要なイオンとして現が、蒸気量を増加させるとスペクトル中にはギ酸イオンHCOO-(H_2O)_n、およびシュウ酸イオンCOOHCOO-(H_2O)_nが新たに大量に出現することが観測された。これらの有機酸イオンは水蒸気量が少ない場合にはほとんど現れていないことから、装置からのアウトガスによるものではなく、水蒸気量の増加に対応してドリフトチューブ内で生成したものと考えられ、大気圧中のイオン反応には水蒸気量が大きく影響していることが明らかになった。また、イオン化法による違いを調べるために新たにコロナ放電によって生成したイオンを分析した結果、NO_3-、NO_3-HNO_3などの硝酸イオンが強く現れ、イオン化法によってもイオン反応が影響を受けることが確認された。
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