Research Abstract |
今年度の実績は,1.日系アメリカ人の調査の実施,2.日系ブラジル人児童・生徒の生活適応と精神健康に関する調査の実施,3.昨年度の日系ブラジル人調査データの分析,4.平成10年に助成を受けた滞日日系ブラジル人に関する論文の投稿,5.来年度のブラジルでの調査実施のためのキーパーソンの探索,の5点である. 1.国際協力研究は継続中であるが,男性が120人(34.7%),女性226人(65.3%)で合計346人から回答が得られている.年齢は19〜39歳が30.6%,40〜60歳45.4%,61歳以上24.0%である.生活満足度を見ると36.4%が「非常に満足」,「満足」50.9%,「どちらともいえない」6.6%であり,90%以上が満足していた.日系人以外のアメリカ人に「非常によく受け容れられている」が25.4%,「受け容れられている」が65.9%とアメリカ人社会によく適応していることが示唆された. 2.豊田市,豊橋市の小・中学校の協力を得て,112名の児童・生徒から回答をえた.「イライラする」者が,小学生62.5%,中学生54.3%,「集中できない」がそれぞれ65.6%,52.5%,「何もやる気がしない」順に53.1%,63.8%と精神健康面での問題が伺われ,家庭生活や学校生活での適応状態が関連していた. 3.回答者の平均33.7歳で,男性50.2%,女性47.7%,日系人が78.3%,非日系人16.0%であった.生活に「非常に満足」15.2%,「満足」46.3%,「どちらともいえない」23.8%であり,日系アメリカ人より低い.周囲の日本人に「受け容れられている」が17.1%,「だいたい受け容れられている」が51.5%で日系米人よりやや低い. 4.Social Science & Medicineに投稿し,査読結果に基づき修正中である. 5.サンパウロ近郊,ノルデステ地方のキーパーソンを知ることができ,準備を開始した.
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