2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本、ブラジル、米国における日系移民の異文化適応問題と精神健康の医療社会学的研究
Project/Area Number |
12490011
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Research Institution | TOKYO GAKUGEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 京子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (00360016)
中山 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (50222170)
園田 恭一 新潟保健福祉大学, 福祉学部, 教授 (20009898)
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Keywords | 滞日ブラジル人 / 日系人児童・生徒 / 日系アメリカ人 / ノルデステの日系人 / 異文化ストレス / ライフチャンス / 差別体験 / 精神健康 |
Research Abstract |
今年度の実績は,以下の4点である。 1)ブラジルで追加調査を行い,最終的に201票を回収した。 2)日系アメリカ人の世代間比較について,2004年6月のHawaii International Conference on Social Sciencesのreviewをパスし,Ethnic Studiesのセクションで報告する。 3)滞日日系ブラジル人の異文化適応と精神健康に関する研究報告も,同ハワイの国際学会で発表することが決まり,full paperを提出した。 4)4年間の成果をとりまとめ,報告書を作成した。 滞日ブラジル人では,異文化適応ストレス、仕事の負担、差別などの困難に直面しながらも、ブラジル人同士助け合いながら、日本社会である程度の経済基盤、生活基盤を築きつつあり、満足も見いだせている様子が伺われた。しかし、全体的には、日本人とのサポートネットワークの弱さや職種の固定は日本社会での地位が低く、ライフチャンスも乏しく、彼からが集団的には孤立していることを示している。この点は、移民の世代が数世代にわたっている日系アメリカ人やノルデステの日系人と好対照をなしていた。日系人児童・生徒の精神的ストレス源としては、人種差別によるいじめ経験、一時的な滞在国である日本で勉強する意欲のなさ、ブラジルの学校よりはるかに規制が多く忍耐を強いられる学校風土,デカセギにきた親が仕事で忙しく、家族関係が疎遠になっており家庭や家族関係が児童生徒の心の拠り所や居場所となっていないことが指摘できた。日系アメリカ人は,世代が進むほどAmericanizeされていた。精神的健康面では,混血の日系人,4世でストレスが高かった。強制収容の影響が2世から3世,4世に影響していることも指摘された。ノルデステの日系人では,農業経営が5割を超え,全体の5割が経済的困難を抱えていた。日系3集団では最も差別体験が少ない。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takashi Asakura et al.: "Socioeconomic Status, Acculturation Discrimination, and Health of Japanese Americans : Generational Differences"The Proceedings for Hawaii International Conference on Social Science (http://www.hicsocial.org/index.htmlで公開予定). 1-25 (2004)
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[Publications] Takashi Asakura: "Acculturation stress of the Japanese Brazilian living in Japan"The Proceedings for Hawaii International Conference on Social Science (http://www.hicsocial.org/index.htmlで公開予定). 1-16 (2004)
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[Publications] 朝倉隆司, 中山和弘, 朝倉京子: "ブラジル・ノルデステ地方における日系人の生活習慣と健康"日本公衆衛生学雑誌. 50・10. 933 (2003)
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[Publications] 朝倉隆司: "日系ブラジル人児童・生徒の生活適応と精神健康"学校保健研究. 45・suppl. 552-553 (2003)