2000 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル・プロジェクトの比較研究-グローバル資本の政治経済とグローバル文化-
Project/Area Number |
12490014
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
伊豫谷 登士翁 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (70126267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 尚中 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (10204794)
長原 豊 法政大学, 経済学部, 教授 (10155963)
坂元 ひろ子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30205778)
成田 龍一 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (60189214)
山之内 靖 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (60014429)
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Keywords | グローバリゼーション / グローバル・スタディーズ / ジャパナイゼーション / アメリカ例外論 / レイシズム / ジェンダー / 近代 / 移動 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、グローバル・スタディーズの研究領域を、(1)総力戦体制からグローバリゼーションへという時代規定から捉え、(2)グローバリゼーションの政治経済学とグローバル文化の生産/消費との二つの領域の相互交流を図り、(3)国内ならびに海外の研究者との情報国間を進める、という3点にあった。9月に開催したワークショップでは、オーストラリア、東南アジア、アメリカからの研究者を迎え、文化のグローバル化が国際政治にいかに投影され、その過程でどのような言説が浸透してきたのかをめぐって討論を行った。また、グローバル研究のアメリカにおける状況の視察・情報交換ならびに資料収集をニューヨーク、イサカ、ワシントン、ボストンにおいて行い、エスニック研究やマイノリティ研究における新しい動向に接してきた。3月における小樽での研究会は、「グローバリゼーションと近代-日本社会の中の辺境-」をテーマとして、横浜言葉、沖縄島唄といった具体的な歴史事象、グローバル化と植民地という時代認識、ヴェトナム戦争とアメリカ体制の歴史的意味といった時代規定をめぐる議論、高等教育におけるグローバルな標準化と知の独占、金融のグローバル化と資本蓄積の変型といった具体的なテーマまでの幅広い議論を行なった。これらの成果を踏まえて、グローバリゼーションの時代規定を組織社会の解体から再検討すること、諸領域の接点としての文化生産の政治経済的実証研究、の重要性が確認された。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 伊豫谷登士翁: "グローバル化。新たな排除の世界システム化"世界(韓国語訳 Emerge 2000.12). 680号. 229-239 (2000)
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[Publications] 山之内靖: "「社会システム論と評判理論-ポストモダンを超えて」"現代思想-2月臨時増刊 総特集・システム. Vol.29・3. 72-85 (2001)
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[Publications] Yasushi Yamanouchi: "Max Weber im Japanischen Faschismus"Das Argument. 237. 495-504 (2000)
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[Publications] 酒井直樹: "誰が「アジア人」なのか?"世界. 1月号. 234-248 (2001)
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[Publications] Naoki Sakai: "Subject and Sabstratum : on Japanese Imperial Nationalism"Cultural Studies. 14-3/4. 461-530 (2000)
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[Publications] 亀井秀雄: "「直訳」の時代"岩波書店「隔月刊 文学」. 第1巻・第3号. 70-81 (2000)
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[Publications] 大内裕和: "戦後教育学再考-戦時・戦後の区分を超えて"「近代教育フォーラム」、教育思想史学会. 第9号. 1-15 (2000)
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[Publications] 大内裕和: "象徴資本としての「個性」"「現代思想」、青土社. Vol.29-2. 86-101 (2001)
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[Publications] 長原豊: "世界都市の国家意識"現代思想. 28-11. 114-136 (2000)
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[Publications] 長原豊: "予感する記憶"ユリイカ. 2000年11号. 218-229 (2000)
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[Publications] 伊豫谷登士翁: "外国人市民と政治参加"有信堂. 213 (2000)
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[Publications] 伊豫谷登士翁: "ジェンダーとグローバリゼーション"明石書店(未定). (2001)
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[Publications] Naoki Sakai and Yuko Hanawa: "Traces,Vol.1 Specters of the West and the Politics of Translation"Traces,Inc.. Moonhwa Kwahak sa, Sanlin Shudian, and Iwanami Shoten. 400 (2000)
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[Publications] テッサ・モーリス・鈴木: "辺境から眺める"みすず書房. 340 (2000)
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[Publications] 亀井秀雄: "明治文学史"岩波書店. 251 (2000)
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[Publications] 吉見俊哉: "カルチュラル・スタディーズ"岩波書店. 128 (2000)
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[Publications] 姜尚中,吉見俊哉: "グローバル化の遠近法"岩波書店. 240 (2001)
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[Publications] 安丸良夫: "一揆・監獄・コスモロジー"朝日新聞社. 248 (1999)
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[Publications] 坂元ひろ子: "章炳麟における伝統の創造(『西洋近代文明と中華世界』所収)"京都大学学術出版会. 275-292 (2001)