2000 Fiscal Year Annual Research Report
小・中学校のための福祉教育・研修プログラムの開発とその実践効果に関する研究
Project/Area Number |
12551003
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中野 いく子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (40141808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川元 克秀 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70291135)
原田 正樹 東京国際大学, 人間社会学部, 助教授 (40287793)
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Keywords | 世代間交流 / 児童と高齢者 / 総合学習 / サービス・ラーニング / シルバー・ボランティア / 高齢者の学校ボランティア / 交流プログラムの開発 / 評価研究 |
Research Abstract |
今年度は、小学校や中学校で行う高齢者との交流プログラムを開発する前提として、実態把握に重点をおいた。日本の世代間交流プログラムには、(1)年数回、老人ホームなどを訪問し、話し相手や介助の手伝い、合唱や演奏を行うもの、(2)学校の行事に地域高齢者などを招待し、作品の説明や給食を一緒に食べるなどのおもてなしをするもの、(3)クラブ活動として、定期的に福祉施設などを訪問し、話し相手や介助の手助けなどを行うものなどがある。また、最近、(4)学校と老人ホームなどとを合築したり、(5)学校の空き教室をデイサービスセンターに転用したりして、年間を通して、日常的な交流を行うことをねらいとしたものなどが出現している。 そうした事例である東京都品川区の戸越台中学校・特別養護老人ホームと埼玉県大宮市の泰平小学校・大砂土デイサービスセンターを訪問し、聞き取り調査を行った。いずれも学校と施設が担当者を決め、年間の活動内容を事前に話し合って、多様な活動や行事を行っていた。従来に比べると、交流の機会と場が計画的に設定され、生徒へのよい効果も認められた。しかし、未だ年間行事の域をでず、試行錯誤の段階であった。 そこで、アメリカ、オハイオ州コロンブスのサービス・ラーニング、ペンシルベニア州ピッツバーグ大学の世代間交流プログラムの視察を行った。前者は、学習の一環としてサービスを行い、その体験を通じて学習効果も高めることをねらいとする。その研修を受け、小学4年生の老人ホーム入所者との交流に同行した。教科の自然な流れの中で事前学習と活動への振り返りを行うことで、的確な知識の獲得や自尊心の形成、人間関係形成のスキルなどを身に付ける成果をあげていた。後者のピッツバーグ大学は、70年代から世代間交流プログラムを開発し、研究のみならず、全米の指導者・ボランティア養成も行っている。交流場面の視察、養成研修や効果評価の方法などについての聞き取り調査を行うことができた。 以上の調査を基に、実践のための小学校教師用マニュアルと生徒用ノートを作成した。
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