2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12555187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅井 滋生 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80023274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 博靖 東邦レーヨン, 本社, 研究員
佐々 健介 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30101166)
岩井 一彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80252261)
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Keywords | 材料電磁プロセッシング / 材料工学 / 炭素繊維 / 電磁気学 / 強磁場 / ピッチ / 結晶配向 / 複合材 |
Research Abstract |
PAN系炭素繊維の繊維製造工程の一工程である安定化工程に強磁場を印加しつつ2Nの負荷をかけたPAN繊維を250℃で安定化処理した。この繊維をさらに1500℃の高温度で無磁場下および磁場印加下で炭素化処理を施した。一方、無磁場下で安定化処理した繊維を作成し同様に炭素化処理した。得られた炭素繊維の引張強度を測定した。磁場を印加して安定化処理した繊維の強度は磁場を印加しなかった繊維強度の110%の強度が得られることを明らかにした。 電極用コールタールピッチの熱処理によりメソフェーズ小球体を作製する試みを強磁場印加の下で行った。印加磁場強度の増加に伴いメソフェーズ小球体のサイズが大きくなることを見出した。また、熱処理時間の増加に伴いメソフェーズ小球体のサイズは大きくなるが、より長時間磁場を印加して熱処理を行うと、小球体は板状炭化物へと変化することを明らかにした。この理由を磁化エネルギーの観点から理論的に考察した。他方、反応形態を明らかにするために試料を赤外分光分析にかけて組成を同定した。この分析結果から磁場印加によって脱水素反応が促進されることが明らかになった。さらに、この脱水素反応の促進は磁場がラジカル反応に影響したために生じることを定性的に明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 成 圭, 佐々健介, 井上邦彦, 小川博靖, 堂山昌男, 山田恵彦, 浅井滋生: "炭素化過程における強磁場印加によるPAN系炭素繊維の強化"炭素. 200. 255-260 (2001)
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[Publications] M.G.Sung, K.Sassa, T.Tagawa, T.Miyata, H.Ogawa, M.Doyama, S.Yamada, S.Asai: "Application of a high magnetic field in cabonization process to increase the strength of carbon fibers"Carbon. accepted to.
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[Publications] M.G.Sung, K.Sassa, S.Asai: "Strengthening of carbon fibers in a production process with imposition of a high magnetic field"PRICM4(Fourth Pacific Rim International Conference on Advanced Materials and Processing). 13・1. 144 (2001)
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[Publications] 成 圭, 佐々健介, 浅井滋生: "強磁場印加による炭素繊維の高強度化の機構"まてりあ. 40・6. 568-572 (2001)
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[Publications] 成 圭, 浅井滋生: "強磁場印加による炭素繊維の高強度化"新材料. 2001. 344-346 (2001)
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[Publications] 成 圭, 佐々健介, 浅井滋生, 小川博靖: "炭素化過程における強磁場印加による炭素繊維の強化"材料とプロセス. 14. 184 (2001)
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[Publications] 成 圭, 佐々健介, 浅井滋生, 小川博靖: "PAN系炭素繊維の炭素化過程における強磁場印加による強化"日本金属学会概要集. 第129回. 434 (2001)