2001 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸ω酸化と排出系及びリパーゼの強化による長鎖ジカルボン酸生産酵母の改良
Project/Area Number |
12556011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 明徳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30125885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有江 麻美 ジャパン・エナジー(株), 医薬/バイオ研究所, 研究員
佐伯 尚史 ジャパン・エナジー(株), 医薬/バイオ研究所, 研究員
堀内 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00209280)
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Keywords | 長鎖ジカルボン酸 / 酵母 / Candida maltosa / チトクロームP450 / n-アルカン / 脂肪酸のω酸化 / ABCトランスポーター |
Research Abstract |
本研究は、長鎖ジカルボン酸(DCA)生産菌であるCandida maltosaについて、もともと活性の高いn-アルカンの末端酸化を特異的に行うチトクロームP450に加えて、高い脂肪酸ω酸化活性を有するチトクロームP450を選択的に増幅する。また、疎水性化学物質の排出に働くトランスポーター系遺伝子を検索してこれを遺伝子の操作によって増強し、高い生産能力を持つ長鎖DCA生産菌の育種を行うものである。 C.maltosaの有する8種のチトクロームP450ALKをコードする遺伝子のうち、アルカンに対する水酸化能の高いALK2はパーオキシソーム増殖誘発剤であるクロフィブレートによっても誘導される。この遺伝子のプロモーター領域をKluyveromyces lactisのβ-ガラクトシダーゼをコードするLAC4をレポーター遺伝子として解析したところ、プロモーター上流にクロフィブレートによる誘導に対して特異的に応答する配列を見いだした。現在その領域に結合する蛋白質の単離を試みている。 ABCトランスポターをコードする酵母遺伝子の共通アミノ酸配列領域の情報に基づき、PCRプライマーを設計し、C.maltosaゲノムDNAについて対応するDNA断片を増幅した。このDNA断片は複数の遺伝子由来の断片の混合物であったので、pUCベクターに結合し、そのうちの一つをプローブとして用い、コロニーハイブリダイゼーションにより、一連の遺伝子を単離した。これらのうち、1つの遺伝子に由来するmRNAが培養後期のDCA生産期に強く誘導されることを確認した。
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