2001 Fiscal Year Annual Research Report
農業用溜池の実態諸相の解明とワイズユースのための管理・保全戦略の構築
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12556037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河地 利彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
森下 一男 香川大学, 工学部, 助教授 (80036061)
宇波 耕一 京都大学, 農学研究科, 講師 (10283649)
清水 英良 岐阜大学, 農学部, 教授 (90144005)
吉武 美孝 愛媛大学, 農学部, 教授 (20033326)
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Keywords | 溜池 / 洪水調節 / 水利統合 / 漏水 / 堤体振動 / 水質 / 生態系 / 水利施設改良・更新 |
Research Abstract |
溜池の水理・水文特性,堤体からの漏水問題,堤体の振動特性,池水の水質特性について,現地観測等を通じて,いくつかの知見を得た.主な成果は以下の通りである. (1)対象溜池(滋賀県)に前年度に設置した雨量計と水位計に加えて流出流量観測装置を新設してデータの自動収集を行った.得られたデータを用いて集水流域からの流出過程を周波数領域における伝達関数モデルによって同定した.このモデルと溜池洪水吐の水理特性を同時に考察することにより,溜他の動的な洪水緩和機能を明らかにした. (2)溜池堤体の透水係数のばらつきに着目し,距離相関を有するランダム浸透場を発生させ,有限要素法による浸透流解析の信頼性評価に関する基礎的研究を行った. (3)淡路島の折ヶ谷池・荒神池・井出の尻池の3基の震災復旧溜池堤体を調査対象とし,常時微動観測・弾性波実験を実施した.常時微動観測から得られた卓越振動数と,弾性波実験結果から数値解析により求めた固有振動数とを比較・検討した結果,通常の実験から得られる弾性波速度は,減衰の影響で真の速度より大となることを明らかにした. (4)対象溜池(滋賀県)について非灌漑期及び灌漑期における栄養塩の挙動を調査し,いくつかの興味ある結果を得た.また,河川から取水し,柿園地など農地からの排水と集落からの生活排水を受ける農業用水が流入する溜池(愛媛県)についても,その水質の状況を調査した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 柳原千穂, 平松 研, 河地利彦: "溜池の物理的環境要因・水質・生物相の相関性について"雨水資源化システム学会第9回研究発表会講演要旨集. 14-17 (2001)
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[Publications] 佐藤弘明, 平松 研, 河地利彦: "ため池における栄養塩残留特性 -滋賀県東池を例として-"雨水資源化システム学会第9回研究発表会講演要旨集. 18-21 (2001)
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[Publications] 桐畑裕行, 河地利彦, 宇波耕一: "ため池集水域における流出過程の確率論的同定"日本雨水資源化システム学会第8回研究発表会講演要旨集. 110-113 (2001)
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[Publications] Kobayashi, N., Yoshitake, Y., Iima, K.: "A Statistical Approach to Confined Seepage Problem with Generation of Random Permeability Field"Journal of Rainwater Catchment Systems. 7(1). 7-12 (2001)
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[Publications] 小林範之, 吉武美孝, 飯間健司: "不均質透水場の作成と浸透流解析"農業土木学会大会講演会講演要旨集. 488-489 (2001)
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[Publications] Kakou, B., Shimizu, H., Nishimura, S.: "Residual strength of Colluvium and stability analysis of farmland slope"The GIGR Journal of Agricultural Engineering Scientific Research and Development III. 1-12 (2001)