2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12557141
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加我 君孝 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80082238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岨 達也 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60251302)
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Keywords | 方向感 / 音源定位 / 絶対音感 / バンドノイズ / 純音 / 骨導 / 外耳道閉鎖 |
Research Abstract |
聴空間とは、音源定位に関する認知能力は3つに分けることが出来る。(1)方向感覚すなわち音源の方向に関するもので、要素として時間差と強度差がある。(2)音源の距離の認知。これはどれだけ遠くあるいは近くから音が聴こえるか認知する能力である。(3)音源の移動の認知能力。これは、ドップラー効果がわかりやすい。音源が近づく、遠ざかる、右から左へ、前から後へ、下から上へなどの移動を認知する能力である。 研究の最初の本年度は方向感覚能力について次のような研究を行った。検査装置としてリオン社の方向感検査装置を用いた。 (1)両側小耳症、外耳道閉鎖症例において、骨導による両耳聴が成立するか否か調べた。20例のうち16例では、ほぼ正常な方向感覚が成立することがわかった。4例については、音源定位について脳の可塑性のあるうちに骨導補聴がされなかったことによるものと推定される。 (2)片側人工内耳、片側補聴器症例を対象に、条件詮索反射聴力検査を用いて、音の定位反応を調べた。その結果、検査した4例とも、定位反応が成立した。これは恐らく音の強弱を手掛かりとしたものと考えられ、現在欧米で進められている、両側の人工内耳埋込術の肯定をする結果となった。 (3)75歳以上の高齢の老人を対象に方向感検査を行った。従来は、加齢によって著しく方向感が低下すると報告されているが、我々の研究では決して成人と変わるものではない。実際生活でも老人性難聴の患者を呼んでも、その方向に気がつかないことはないことでわかる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kaga K,Shindo M,: "Neuropathology of auditory agnosia following bilateral lesions"Acta Otolaryngol. 120. 259-262 (2000)
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[Publications] Sheykholeslami K,Kaga K: "Otoacoustic emmisions and auditory brainstem responses after neonatal hyperbilirubinemia."Int J Pediatric Otorhinolaryngol. 52. 65-73 (2000)
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[Publications] Sakamoto M,Kaga K,: "Extended high-frequency ototoxicity induced by the first administration of cisplatin."Otolaryngol Head Neck Surg. 122. 828-833 (2000)
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[Publications] Itoh K,Yumoto M,Uno A,Kurauchi T,Kaga K:: "Temporal stream of cortical representa for auditory spatial localization in human hemispheres."Neuroscince Letters. 292. 215-219 (2000)
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[Publications] Sakamoto S,Goto K,Tateno M,Kaga K:: "Frequency compression hearing aid for severe-to-profound hearing impairments."Auris Nasus Larynx. 27. 327-334 (2000)
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[Publications] Yamda K,Kaga K,: "Long-term changes in middle latency response and evidence of retrograde degeneration in the medial geniculate body"Acta Otolaryngol. 120. 744-749 (2000)
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[Publications] 加我君孝: "中枢性聴覚障害の基礎と臨床"金原出版. 250 (2000)