2001 Fiscal Year Annual Research Report
抜歯即時インプラントにおける早期の咬合機能回復の達成をめざして
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12557162
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横山 敦郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20210627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
中須 正議 旭光学工業, ニューセラミックス部, 研究員
川崎 貴生 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90002229)
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Keywords | β-三リン酸カルシウム / CMキチン / BMP / 抜歯即時インプラント |
Research Abstract |
本年度は,抜歯即時インプラント埋入の際の吸収性のBMPのキャリアの開発とその小動物を使用した予備実験およびイヌ下顎前臼歯部を用いた抜歯即時インプラントヘのキャリアの応用を行った. 昨年来,多孔性,吸収性のリン酸カルシウムセメントの開発を行ってきたが,多孔性についてはある程度解決することが可能であったが,生体内吸収性については現在のセメントの組成では困難であった.そこで,セメントの液剤であるCM-キチンを高濃度で,β-三リン酸カルシウム(β-TCP)の顆粒と複合し,付型性をもつ生体内吸収性のセラミックス複合材料を開発した.CMキチンの濃度を変化させることにより複合材料の粘度は変化し,注射針を用いることにより,切開を加えずに注入することも可能となった.この複合体を,ラット腹部皮下組織に埋入したところ,炎症反応はほとんど認められなかった.埋入4週後では,β-TCP顆粒表面には異物巨細胞が多数観察され,軟組織内での吸収が示唆された.ラット大腿骨に形成した骨欠損部へ埋入した場合,4週でほとんどのβ-TCP顆粒は新生骨に接しており,8週では,β-TCP顆粒と骨組織の置換を示唆する所見も認められ,骨組織内での吸収が示唆された.また,BMPをこの複合体に添加し,ラット軟組織に埋入したところ,埋入2週後において骨形成が認められ,BMPのキャリアとしても有効であることが明らかとなった.これまで,BMPのキャリアとしてコラーゲンが多用されてきたが,狂牛病を考えた場合,コラーゲンに代わるキャリアが必要とされており,この複合体が有用であることが示唆された.現在,このβ-TCP-CMキチン複合体にBMPを添加した材料をイヌ下顎前臼歯部を用いた抜歯即時インプラントに応用し,インプラント周囲の骨組織の緻密化について検索している.
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Research Products
(1 results)