2000 Fiscal Year Annual Research Report

振動刺激による歯周組織改造の賦活化機構の解析と臨床応用

Research Project

Project/Area Number	12557179
Research Institution	Tohoku University
Principal Investigator	清水義信東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20005078)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	加賀山学東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60004610) 清水義之東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20187470) 三木美麗東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10236820) 三谷英夫東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014220)
Keywords	振動刺激 / 共振点 / 歯周組織改造機構 / メカニカルストレス / 破骨細胞 / プロスタグランジン / 歯科矯正学的歯の移動 / 歯周組織再生
Research Abstract	本研究は、振動刺激の歯周組織と骨組織への細胞レベル、分子レベルでの作用機序を基礎的背景から解明することにより、歯の移動や歯周組織の再生に最適な振動刺激の条件設定と負荷方法を見つけだすと共に、臨床的な応用のために振動力負荷装置を開発することを目的とする。結果として、以下の知見を得た。 1.ラットのための振動力負荷装置の開発振動制御器・電力増幅器・小型振動試験装置・加振ロッド・チャージアンプからなる振動付加システムおよびシステム制御コンピュータソフトウエアを開発した。システムの特徴として、フォースセンサを使用することにより加振機の押し付け圧力を管理できること。また、ディジタル振動制御器を採用し、内蔵コンピューターによる振動の制御信号をコントロールできる。さらに、共振点追従機能により実験歯の共振点が変化しても自動で加振周波数を制御可能である。今後、このシステムを用いて歯周組織に応用する。 2.歯根膜細胞に圧縮力を負荷すると負荷依存的・時間依存的にRANKLの遺伝子発現が増強した。一方、OPGの発現は変化せず、一定であった。培養上清中のプロスタグランジンを測定したところ、圧縮力負荷により増加が認められた。またプロスタグランジン合成酵素COX-2の遺伝子発現が増強した。圧縮力によるRANKL発現上昇はインドメタシンの添加により完全に抑制され、プロスタグランジン依存的であった。歯根膜細胞に周期的伸展刺激負荷して、半定量的RT-PCR法により遺伝子発現を解析した。c-fos mRNAの30分をピークとする一過性の上昇が認められた。またプロスタグランジン合成酵素の遺伝子発現パターンを調べると、COX-1は変化しなかったが、COX-2の遺伝子発現の上昇が認められ、COX-2を介するプロスタグランジンの合成が推測された。圧縮と伸展刺激の実験系に振動刺激を加えた実験は現在検討中である。

Research Products

(9 results)

All Other

All Publications (9 results)

[Publications] 千葉美麗: "メカニカルストレスによる歯根膜細胞の初期応答"日本機械学会[No.00-35]第13回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 192-193 (2001)
[Publications] 戸塚実: "骨格筋細胞に対する機械的伸展刺激の影響に関する研究"歯科基礎医学会雑誌. 42・3. 233-244 (2000)
[Publications] Chiba,M.: "Mechanical stress induced both NO and PGE2 in PDL cells."Journal of Dental Research. 79・suppl. 145 (2000)
[Publications] Kanzaki,H.: "ODF and OCIF mRNA expressed by mechanical stress."Journal of Dental Research. 79・suppl. 590 (2000)
[Publications] 菅崎弘幸: "メカニカルストレスによる歯根膜線維芽細胞のODF mRNA発現増強とPGE2の関与"日本骨代謝学会雑誌. 18・2. 200 (2000)
[Publications] 久保田衛: "Oncogene transgenic ratを用いた歯根膜不死化細胞の樹立"歯科基礎医学会雑誌. 42・5. 590 (2000)
[Publications] Kanzaki,H.: "Dual regulation of osteoclast differentiation by periodontal ligament cells through RANKL stimulation and OPG inhibition."Journal of Dental Research. 80(In press). (2001)
[Publications] Kubota,M.: "Establishment of immortalized periodontal ligament cell lines and gene expression."Journal of Dental Research. 80・suppl(In press). (2001)
[Publications] Yamaguchi,M.: "Mechanical stress induces c-fos mRNA expression in human PDL-fibroblasts."Journal of Dental Research. 80・suppl(In press). (2001)

2000 Fiscal Year Annual Research Report

振動刺激による歯周組織改造の賦活化機構の解析と臨床応用

Principal Investigator

清水 義信 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20005078)

Research Products

[Publications] 千葉美麗: "メカニカルストレスによる歯根膜細胞の初期応答"日本機械学会[No.00-35]第13回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 192-193 (2001)

[Publications] 戸塚実: "骨格筋細胞に対する機械的伸展刺激の影響に関する研究"歯科基礎医学会雑誌. 42・3. 233-244 (2000)

[Publications] Chiba,M.: "Mechanical stress induced both NO and PGE2 in PDL cells."Journal of Dental Research. 79・suppl. 145 (2000)

[Publications] Kanzaki,H.: "ODF and OCIF mRNA expressed by mechanical stress."Journal of Dental Research. 79・suppl. 590 (2000)

[Publications] 菅崎弘幸: "メカニカルストレスによる歯根膜線維芽細胞のODF mRNA発現増強とPGE2の関与"日本骨代謝学会雑誌. 18・2. 200 (2000)

[Publications] 久保田衛: "Oncogene transgenic ratを用いた歯根膜不死化細胞の樹立"歯科基礎医学会雑誌. 42・5. 590 (2000)

[Publications] Kanzaki,H.: "Dual regulation of osteoclast differentiation by periodontal ligament cells through RANKL stimulation and OPG inhibition."Journal of Dental Research. 80(In press). (2001)

[Publications] Kubota,M.: "Establishment of immortalized periodontal ligament cell lines and gene expression."Journal of Dental Research. 80・suppl(In press). (2001)

[Publications] Yamaguchi,M.: "Mechanical stress induces c-fos mRNA expression in human PDL-fibroblasts."Journal of Dental Research. 80・suppl(In press). (2001)

清水義信東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20005078)