2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯根根吸収期の乳歯を含む感染根管治療のための病巣無菌化組織修復療法
Project/Area Number |
12557182
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星野 悦郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90124619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真柳 英昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60005098)
子田 晃一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90018755)
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Keywords | 病巣無菌化組織修復療法 / LSTR 3Mix-MP 法 / 感染根管治療 / プロピレングリコール / 乳歯治療 / 歯内治療 |
Research Abstract |
治療が困難な、生理的歯根吸収時期の乳歯感染根管症例を含む、効率的な効果の高い感染根管治療の新しい術式としての病巣無菌化組織修復(LSTR)療法を確立する事も目的とし、本年度は下記の成果を得た。 1.LSTR療法の方法に関する検討 1)薬剤デリバリーのための溶媒評価:本療法で溶媒として用いるプロピレングリコールに溶解した色素を追跡物質として、その歯質内浸透効率を分光光度計、カラーイメージ分析機を用いて測定した。脱イオン水と比較して極めて効率の良い浸透性を示した。 2)スメアー層など残存有機質の科学的除去の効率:薬剤のより効率的な浸透と薬効のため、簡便な化学処理(星野・宅重の方法)によるスメアー層の除去による薬剤浸透促進効果が確認された。 2.LSTR療法の臨床評価 臨床手技が一定のレベルに揃うように日本、フィリピン、バングラデシュ、タイ、ベトナム、カンボジアおよび中国の研究協力者の技術指導、研修等を国内あるいは現地で行った。また、現地の歯科医療状況に応じた術式の改変を現地研究協力者と協議した。 日本、フィリピン(3カ所、50人超)、バングラデシュ(3カ所。100人超)、タイ(4カ所、300人超)、ベトナム(1カ所、10人程度)、カンボジア(1カ所、10人程度)および中国(2カ所、60人超)で臨床実施が行われた。評価のための期間が短い実施地区では、さらに臨床例と施術後の期間を長くして評価を続けている予定であるが、現在までとしては、何れの地区でも極めて良好な臨床成績が示された。 現地では本治療方法が、効率的でかつ簡便であること、また、患者の来診回数が少なくて済む事が理解されており、一般診療のための臨床術式としては勿論、特に、患者が歯科医療から遠ざかりやすい農村部や経済的に困窮している都市地域などの歯科医師過疎地域での臨床術式としても有効であることが認識された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] E. V. Cruz: "Penetration of propylene glycol through dentine"International Endodontic Journal. 35(in press). (2002)
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[Publications] Hashimura, T.: "Detection of Slackia exigua, Mogibacterium timidum and Eubacterium saphenum from pulpal and periradicular samples using the Polymerase Chain Reaction (PCR) method (PCR) method"International Endodontic Journal. 34・6. 463-470 (2001)