2002 Fiscal Year Annual Research Report
地震波動場のモニタリングによるリアルタイム地震解析システム
Project/Area Number |
12558043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 教授 (60242153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 佳子 東京大学, 地震研究所, 助手 (30262083)
卜部 卓 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30160336)
鷹野 澄 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80134659)
鶴岡 弘 東京大学, 地震研究所, 助手 (10280562)
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Keywords | リアルタイム地震学 / モーメントテンソル / 地震メカニズム / 地震解析 / 強震動予測 / 地震波動場 / 地震活動 |
Research Abstract |
本研究計画では,広帯域地震計ネットワークによって得られる良質のデジタルデータを利用し,長周期(>10秒)波動場をモニタリングし,波動場と調和的な地震活動場を常時決定し,地震活動のリアルタイム・モニタリングを行う解析システムを作り上げることを目標としている. 昨年度完成したプロトタイプシステムは,(1)データ受信(recvt, order),(2)フィルタリング処理(ecore2),(3)共有メモリから標準出力への変換(shmdump),(4)CMTインバージョン(mtinv),(5)可視化およびモニタリング(rmtplot)から構成されていたが,本年度は(2)のフィルタリング処理を(3)に組み込みことによってより柔軟かつコンピュータリソースを有効活用できるシステムへの強化を行った.また,リアルタイム波形モニターソフトの開発を行い,衛星により配信される波形データを容易に監視可能となった. 構築したシステムを用いて,関東領域のモニタリングを実施した.フィルタリング処理において(A)単一の周期帯(20-50秒)を用いた場合と(B)複数の周期帯(10-25秒+20-50秒)を組み合わせる方式のテストを行った.地震の検出は(A)の場合はプログラムrmtinvにより得られたCMT解から合成される理論波形と観測波形とのフィットを表す指標(VR)だけで行うことになるが,(B)の場合においては得られた二つのCMT解のリセンブランスを考慮することにより信頼性の高い地震検出が可能となることがわかった. 本研究により長周期波動場と調和的な地震活動場を常時決定するシステムが構築され,実験的運用が開始された.
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