2000 Fiscal Year Annual Research Report
安全で特異性の高いサルヘルペスウイルスB用診断抗原の作出と普及
Project/Area Number |
12558094
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 浩 長崎大学, 医学部, 教授 (50072947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万年 和明 大分医科大学, 医学部, 助教授 (20145361)
山本 博 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00108797)
大沢 一貴 長崎大学, 医学部, 助手 (90244756)
松林 清明 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (50027497)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50106647)
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Keywords | サルヘルペスBウイルス / ヒヒヘルペス2型ウイルス / マカク / ELISA / Bウイルス |
Research Abstract |
ヒヒヘルペス2型ウイルス(HVP2)が抗原として優れていることを、他のウイルスと比較して検証した。 BV(E2490)、HVP2(OU1-76)、HSV1(KOS)の感染細胞を得たうえ、条件決めも種々行って抗原プレートを作製した。このプレートを使用して、日本および米国のアカゲ(78検体)、カニクイ(73)、ニホン(77)、ブタオ(92)、ボンネット(3)、スラウェシ(5)、タイワン(5)、不詳(16)の各マカク349検体の他、対照としてヒヒ(39)、ヒト(60)の血清を用いて検査した。 その結果、BV抗原を用いた場合に陽性253、陰性94、不明2と診断された。一方、HVP2は陽は250、陰は97、不明2でBV^+の98.0%(248/253)を検出し、BV^-の94.7%(89/94)を支持した。片や、HSV1は陽性247、陰性100、不明2で、BV^+の95.7%(242/253)、BV^-の97.9%(92/94)と一致した。不明と判定された2血清は3抗原でともに不明であった。BV^+253血清の平均OD値は0.90(BV)/0.89(HVP2)/0.58(HSV1)で、BVとHVP2とで有意差は認められなかったが(p=0.042)、HSV1は他の2抗原に比べて低かった(p<0.001)。 一方、BV^-94血清の平均値は、0.045/0.018/0.022と、BVが他の2抗原に比べて高く(p<0.001)、陽性判定にあたり障害のひとつとなった。BV^+/HVP2^-の5検体はともにブタオザル血清で、OD_<BV>で0.101〜0.139とlow^+、一方OD_<HVP2>では0.026〜0.086(OD_<HSV1>=0.061〜0.123)だった。 今回我々が使用したHVP2抗原はマカクBV感染のスクリーニング用抗原として、HSV1抗原より優れていることが判明した。
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