2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12558103
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究所, 教授 (90193341)
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
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Keywords | 血液・輸液バック / ポリオレフィン / リン脂質ポリマー / 血液適合性 / タンパク質吸着 / 血小板粘着 / 光重合 / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが合成した生体適合性を有するリン脂質ポリマーを活用して表面を修飾したポリオレフィン膜を用いてこれまでにないタンパク質非吸着型血液、輸液バックを創製することを目的としている。 平成13年度は生体由来のリン脂質と同じ極性基を有する2-メタクリロイルオキシェチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを表面修飾したポリエチレン(PE)シートを用い、血液バックを作成し、その血液適合性を評価した。 ポリマー表面へのタンパク質吸着は、吸着量のみならず、種類、分布について評価した。総タンパク質の吸着量は、ビシコニン酸を用いたBCA法に準じて行った。特定の吸着タンパク質の量、種類、分布の評価には、酵素標識免疫法および金コロイド標識免疫法を用いた。その結果、MPCポリマーを修飾したPEシートの表面は、未処理のPEに比べ有意にタンパク質の吸着を抑制した。また、MPCポリマー表面のタンパク質非吸着特性は特異的なタンパク質に対して起こるものではなく、非特異的であった。 ヒト全血より調製した血小板多血漿をポリマー表面に所定時間接触させた後、ポリマ表面を走査型電子顕微鏡にて観察した。また、熱プレス法で作成したポリマーバックの中で所定時間血小板懸濁液を保存した後、血小板の活性化について細胞内遊離カルシウムイオン濃度を測定することにより調べた。MPCポリマーでPE表面を修飾することにより血小板の粘着および活性化は著しく抑制された。MPCポリマーで表面改質したバックに保存された血小板は数時間経過してもNativeと同様なADP活性を有していた。 本研究を通じて、タンパク質吸着および血小板の粘着、活性化を効果的に抑制できる血液・輸液バックを創製することができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Twasaki, N.Nakabayashi, K. Ishihara: "Preservation of platelet function on 2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine graft polymer compared to various water-soluble graft polymers"Journal of Biomedical Materials Research. 57. 107-115 (2001)