2000 Fiscal Year Annual Research Report
現代イスラーム世界における宗教復興主義に関する比較宗教学的研究
Project/Area Number |
12571001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩尻 和子 筑波大学, 哲学・思想学系, 助教授 (40312780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (70151305)
荒木 美智雄 筑波大学, 哲学・思想学系, 教授 (60103032)
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Keywords | イスラーム / 宗教復興主義 / エチオピア教会 / 民衆宗教 / イスラーム原理主義 / 死海写本 |
Research Abstract |
本年度は当研究の第一年目であり、海外調査は代表者の塩尻のみが行った。荒木は8月に南ア・ダーバンで開催された国際宗教学会の理事を勤めており、池田は国内にあって研究著作活動に専念した。しかし、研究成果には多大なものがあり、多くの論文、著作が発表された。 塩尻はエチオピアのアジスアベバを5日間訪れ、エチオピア教会の現状とイスラーム教徒の動向を調査し、その成果を筑波大学大学院地域研究研究科の『地域研究』第19号に研究ノートとして発表した。また『世界』9月号に「イスラーム世界の女性」を執筆、筑波大学哲学・思想学系の『哲学・思想論集』にも関連論文を発表した。 荒木は「民俗宗教における身体性と物質性について」、「日本の民衆宗教-日本宗教の統合的理解のために」などの論文を執筆し、英文でProblems of New Religion of Modern Japan as the Problem of Religious Tradition and Modernityをカリフォルニア大学出版から刊行予定である。これらは民俗宗教や日本の宗教事象をあつかった、ものであるが、当研究の比較宗教学的研究の基本理念を構成するために重要な方法論と指針とを提供するものである。 池田は『死海写本と聖書の旅』、『死海文書Q&A』を出版するとともに聖書学に関するエッセーを執筆した。これらは直接イスラームに関連するものではないが、イスラーム思想の歴史的および文化的背景を明らかにする作業であり、現在のイスラームのあり方を比較思想学的に考察するものであり、当研究に深みと広がりを与えるものである。 来年度はこれらの成果を踏まえて、アラビア湾地域、イスラエル、シリアなどを調査し、イスラーム復興主義と聖都問題などを研究する予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 塩尻和子: "海外学術調査第1回調査報告書"地域研究. 第19号. 205-219 (2001)
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[Publications] 塩尻和子: "イスラーム世界の女性"世界. 第679号. 100-105 (2000)
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[Publications] 塩尻和子: "Understanding of Trinity in 'Abd al-Jabbar"哲学・思想論集. 第26号. 169-180 (2001)
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[Publications] 荒木美智雄: "民俗宗教における身体性と物質性について"宗教研究. (予定). (2000)
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[Publications] 荒木美智雄: "日本の民衆宗教-日本宗教の統合理解のために"ミルチア・エリアーデ『世界宗教史』. 第8巻. 211-259 (2000)
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[Publications] 池田裕: "サムソンの蜜"聖書の学び. 第59号. 5-8 (2000)
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[Publications] 池田裕: "エルサレムの庭"みるとす. 第56号. 12-17 (2000)
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[Publications] 池田裕(共訳): "三省堂"聖書百科全書. 599 (2000)
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[Publications] 塩尻和子: "柏書房(3月9日発売)"聖戦の歴史. (2001)
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[Publications] 塩尻和子: "イスラームの倫理"未来社. 350 (2001)
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[Publications] 荒木美智雄: "Problem of New Religion of Modern Japan "University of California Press(予定).
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[Publications] 池田裕: "死海文書Q&A"ミルトス. 179 (2000)
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[Publications] 池田裕(共著): "死海写本と聖書の世界"東京大聖書展出版委員会. 118 (2000)