2002 Fiscal Year Annual Research Report
民俗信仰と創唱宗教の習合に関する比較民俗学的研究-フランス、ブルターニュ地方のパルドン祭りの調査分析を通じて-
Project/Area Number |
12571023
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
新谷 尚紀 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (80259986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 袈裟雄 武蔵大学, 人文学部, 教授 (40015889)
比嘉 政夫 沖縄大学, 法経学部, 教授 (10045198)
関沢 まゆみ 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助手 (00311134)
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Keywords | ブルターニュ / パルドン祭り / 民俗信仰 / トロメニ / tantad / feu de la saint Jean / Anatole Le Braz / 聖人伝説 |
Research Abstract |
本年度は、フランス、ブルターニュ地方、Gouesnouのトロメニ(平成14年5月9日)およびLandeleau(5月19日)のトロメニについて、その準備段階からの参与観察、間取り調査、写真撮影ビデオ撮影などを行った。昨年度は、Locronanのグラン・トロメニの調査を行っているため、ブルターニュ地方に伝えられている3つのトロメニはすべて実地に調査することができた。それら3つのトロメニについて、研究代表者の新谷は「ブルターニュのトロメニ」(『国立歴史民俗博物館研究報告』20周年記念号2004年)を執筆し、投稿中である。また、ブルターニュ地方の伝統的な民俗信仰、とくに水をめぐる信仰、火をめぐる信仰、石をめぐる信仰についての民俗調査および文献調査を行い、昨年度に調査したSaint-Jean-du-Doigtのパルドン祭りにおいて注目されたtantadと呼ばれる火焚き行事と、ブルターニュ地方で広く伝承されてきている夏至の日没時にfeu de la saint Jeanと呼ばれる火焚きを行う行事との関係性に注目した聞き取り調査をCap-Sizun(Goulien),Plabennec,ほかの数ヵ所で実施し、研究分担者の関沢は「ブルターニュのパルドン祭り-夏至の火の伝承をめぐって-」(『国立歴史民俗博物館研究報告』20周年記念号'2004年)を執筆し、投稿中である。なお、平成15年3月には海外研究協力者であるDonatien Laurent ブレスト大学教授)、Alain Tanguy(同大学RA)とブレスト大学にて研究会を行い、19世紀末、ブルターニュ地方の聖人伝説などの調査を行ったAnatole Le Brazのフィールドノートの写真撮影(主要な一部)および民俗学草創期におけるフランスと日本の特徴についての意見交換を中心とする研究会を行った。
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