2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12571035
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松原 孝俊 九州大学, 大学院・言語文化研究院, 教授 (20150378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 学 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80108612)
松野 陽一 国文学研究資料館, 館長 (50005823)
中野 三敏 九州大学, 名誉教授 (70036987)
入口 敦志 国文学研究資料館, 助手 (80243872)
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Keywords | 台湾大学図書館 / 台北帝国大学 / 小葉田敦 / 和本 / 和刻本 / 蔵書目録 / 台湾所在日本語資料 / 日本語古典籍 |
Research Abstract |
(1)2年間にわたる台湾大学総図書館特蔵室所蔵日本語古典籍調査を終えたが、調査人員は延べ人数約60名、総滞在日数は約250日を要した。我々の書誌的調査結果が進展した結果、同大学所蔵日本語古典籍のほぼ全体を調査し終えたことは、僥倖であった(但し台湾大学側の諸事情から、残念ながら漢籍の和刻本は除外した)。 (2)1945年10月を期して台湾大学に接収された旧台北帝国大学所蔵の日本語古典籍(所謂「残置本」)の一部は、3人の先駆者による先行調査が実施されている。しかしながら、我々の調査が開始される直前の1998年に、全学から残置本が一箇所に集められた結果、大量の未整理典籍が出現した。その新資料の調査に、我々調査団は忙殺された。 (3)厳密に通し番号をつける作業を行いつつ、展開した調査結果によると、旧台北帝国大学本・現台湾大学総図書館特蔵室所蔵の日本語典籍の総数は、科研報告書に収録したように、約2万2千冊であると判明した。この2万2千冊の残置本は、なるほど台湾特有の高温・多湿な気候の中に放置された時期を経たために、破損や劣化が進んでおり、早急な保存策を講ずる必要のあるものも少なくない。例えば井原西鶴の諸作などは、その典型である。 (4)本研究を進めていくプロセスで、これまで相互の関連なくして展開されてきた、台湾所在の日本語資料を研究調査対象としてきた各研究プロジェクトとのネットワークを構築できたことである。そして合同研究会を主催することで、互いの成果を披露しあいながら、それぞれの研究がどの段階まで到達し、いかなる難問に直面しているか、そして今後協同して研究を遂行する為の話し合いの場を作った。日本史(笠谷)・台湾史(檜山)・日本文学(中野・宮崎・入口・和田・中山・佐藤)・琉球史(豊見山・赤嶺・漢那)・東アジア文化交流史(松原)の立場から、各自が調査研究を進めてきた成果を披露した。
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