2001 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの越境ビジネスマン:その取引国イメージの形成に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
12572003
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
園田 茂人 中央大学, 文学部, 教授 (10206683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真茂留 立教大学, 社会学部, 助教授 (20242084)
山中 速人 中央大学, 文学部, 教授 (80191360)
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Keywords | 国際研究者交流(中国・韓国・台湾) / ケース・スタディ / 質問票調査 / 長江流域 / 対象国イメージ / 比較研究 / 外資系企業 |
Research Abstract |
3年プロジェクトの2年目にあたる今年は、昨年来の議論をもとに、ターゲットを中国に進出した日系、韓国系、台湾系企業に焦点をあて、そこで働く現地従業員と駐在員を対象に調査研究(ケーススタディと質問票調査)を行った。具体的には、5月に日本でブレーンストーミングを行い、調査対象企業を特定化した上で、8月に中国の長江流域に位置する蘇州と上海で、前者では中国では外資系企業になる日系、韓国系、台湾系の合計8つの企業を訪問した上で、現地従業員約500名と、現地駐在員約30名を対象に、彼(女)らがビジネス上の付き合いのある東アジア地域について、どのような対象国イメージを抱いているかに関する質問票調査を実施した。また、現地駐在員のサンプルが少なかったことから、9月からは上海で郵送法による同種の調査を実施し、合計100名近くの駐在員データを収集した。11月には台湾から研究者を招聘し、その調査結果についての検討会を実施した。 詳細な調査結果については、分析段階にあるため断定的なことはいえないが、いくつか気づいた点は以下のとおりとなる。(1)日本人駐在員に比べ、韓国人駐在員の方で中国人イメージのばらつきが大きい、(2)中国でのビジネスパートナーの信頼度は台湾>韓国>日本の順になっているが、総じて中国人パートナーへの信頼は低く、現地でのマネジメントを厳しいものと感じていた、(3)一方現地従業員の対象国イメージは、特に韓国系企業で働く従業員は(日系企業で働く従業員に比べて)韓国に対して好意的だったものの、欧米系企業と比べると評価は低く、最後は欧米系企業で働きたいという志向が強く見られた。 今後、この点の詳細な比較研究を進めるとともに、来年度は、現地従業員により特化した調査研究を進める予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 園田 茂人: "アジアの日系現地法人における「コミュニケーションの貧困」"書斎の窓. 7・8月号. 25-29 (2001)
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[Publications] 園田 茂人: "ビジネスの現場にみる中国人の行動原理"明日への選択. 10月号. 22-27 (2001)
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[Publications] 園田 茂人, 岸 保行: "21世紀の大学経営と新たな就職部の役割"中央評論. (掲載予定).
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[Publications] 園田 茂人: "韓国人ビジネスマンの中国イメージ"中国研究月報. (掲載予定).