2002 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの貿易、競争と規制-先進国の視点、発展途上国の視点-
Project/Area Number |
12572014
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
大来 洋一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70303089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和久井 理子 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (50326245)
山根 裕子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70200772)
長岡 貞男 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (00255952)
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Keywords | 経済統合体 / 農業の自由化と途上国 / 規制緩和と途上国 / 標準化と競争 / パテントプール / 競争と貿易 / 金融自由化 |
Research Abstract |
平成14年度は次のテーマについて共同研究を行い、定期的に研究会を開催した。 (1)「地域統合と経済発展」のテーマにつき、とくにASEAN(AFTA)の研究を行った。ASEANは国家の任意にもとづき貿易を自由化する。このようなしくみは、投資を促し、法制接近を推進しているのか。ASEAN加盟国の経済協力はいかなる形でなされているのか。タイ、カンボジア、ラオスで実地調査をし、さらに中国経済との関係について検討した。 (2)「農業の自由化が途上国にもたらすインパクト」に関しては、専門家(アメリカ、日本)を招いて研究会を開いた。 (3)「規制緩和が途上国にもたらす恩恵」についてはインドとタイの例をとって研究した。チュラルンコン大学にケーススタディーを委託し、報告書を作成した。 (4)「標準化と競争」について研究し、ますます重要化する標準化のもつ経済的臆味を探求した。 (5)「パテントプール」のもつ競争上の意味について理論的な探求をした。 (6)「競争と貿易」のテーマのもとに、貿易促進型の中国における経済発展と日本の空洞化との間には関連性があるか否かを調べた。 (7)「金融自由化が途上国にもたらす影響」をとくにタイの例をとって研究した。 II.規制緩和、競争、貿易、経済発展に関心をもつ大学・研究所・国際機関との協力体制を整えた。たとえば、OECDの規制緩和プログラムのもとに、先進国だけでなく、途上国の規制問題を評価する枠組みを検討した。 III.途上国にはどの程度競争法が必要かにつき、実地研究をした。中国、タイ、およびインドネシアである。 IV.合併規制が途上国に必要か否かについて比較研究した。
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[Publications] 長岡 貞男: "国内基準と国際競争-三つの論点"小寺彰編著『転換期のWTO-非貿易的関心事項の分析』. 31-45 (2003)
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[Publications] 長岡 貞男: "中国経済と競争と日本産業空洞化の虚実"伊藤元重編著『日中関係の経済分析-中国脅威論の幻想』. 105-121 (2003)
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[Publications] 和久井理子: "情報化時代における支配的事業者の責任"松本博之編『インターネットと情報社会の法律問題-日独シンポジウム-』信山社. (2002)
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[Publications] 和久井理子: "共同の標準化活動と独禁法"北大法学論集. 53巻. (2002)
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[Publications] 和久井理子: "技術標準化、パテントプールと独禁法"法学雑誌. 49巻3号. (2002)
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[Publications] 和久井理子: "周波数オークションと競争政策-英国第三世代移動体通信用周波数免をめぐって"証券研究年報. 17号. (2003)
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[Publications] 大来洋一: "宮崎勇, 丸茂明則, 大来洋一編『世界貿易読本 第7版』担当部分第4章、及び第7章第5節"東洋経済新報社. 109-144,241-248 (2002)