2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会の住宅政策・住環境整備システムに関する研究
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12572042
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Research Institution | HOKKAIDO BUNKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鎌田 清子 北海道文教大学, 外国語学部, 教授 (90183277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 哲宏 静岡大学, 情報学部, 教授 (40022256)
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Keywords | アルツハイマー / 痴呆症 / アシステッドホーム / コミュニティーケア / ドネーション / N・P・O / ボランティア |
Research Abstract |
ボストン市内,及び郊外で1984年から慈善事業家として非営利組織で最も信頼されているNPO団体であるROGERSON Communities理事長の招待,調査協力を得て,平成15年度の海外調査を実施した。代表的な事業は 1)ボストン市から公共建築物<学校など>の払い下げ,及び独自の融資,改修工事,運営,各種介護サービスを提供して資源の再利用、社会的再活用、地域福祉への貢献である。 2)個人,篤志家,ユーザー家族から土地,家屋など資産の寄付を受けて地域高齢者の福祉のために更に発展させていること。 3)運営を担当する各住宅施設及び管理部門の職員の人件費、日常的な維持管理費の捻出には連邦政府,州政府,市などからの補助金は勿論のこと、一般企業、市民、住人家族、財団からの寄付金、そして独自の工夫として様々なイベント事業から運営費用を創出している。そのアイデアは日本にも大いに参考になる。 4)多くの団体,個人から寄付金を集める為には、寄付行為が減税,節税対策となる税法上の手続きが社会全体に認知されている為、地域社会に貢献する意識が高い事。 5)単一民族で構成する日本社会と多民族からなるアメリカ社会では『コミュニティー』という言葉の持つ意味合いが相当異なることが理解できた。日本人はこの点を踏まえて,今後の『地域福祉』政策を整備する必要がある。 6)アメリカ社会は弱肉強食の社会と言われるが現実にはその差を如何にして埋めていくか弱い人々を救済する仕組みを民間活力で満足度が大きくなるように国,連邦,州、市など官が操作、協力している。この点でも日本では民間活力の活性化、競争原理の導入などの言葉が正確に理解,運用されていないと実感する事ができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鎌田清子: "アメリカ合衆国における痴呆症高齢者のグループリビングホーム事例研究"北海道文教大学研究紀要. 第28号. 13 (2004)
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[Publications] 鎌田清子: "痴呆性高齢者の住宅・住環境整備に関する研究"日本建築学会北海道支部研究発表. 第77号. (2004)
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[Publications] 鎌田清子: "痴呆症高齢者の住環境デザインチェックリスト"日本建築学会大会講演梗概集. 体会号. (2004)