2002 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける熱帯林の農業利用に伴う土壌肥沃性の多角度からの評価と修復
Project/Area Number |
12574013
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野中 昌法 新潟大学, 農学部, 助教授 (70198604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 彰 名古屋大学, 大学院, 助教授 (50231098)
千家 正照 岐阜大学, 農学部, 教授 (00144006)
木村 眞人 名古屋大学, 大学院, 教授 (20092190)
伊藤 健吾 岐阜大学, 農学部, 助手 (10303512)
松本 貞義 近畿大学, 農学部, 講師
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Keywords | 森林伐採土壌 / 土壌劣化 / コーヒー土壌 / 土壌肥沃性 / 土壌微生物 / 土壌有機物 / 被覆植物 / 土壌修復 |
Research Abstract |
丘陵地におけるインドネシア森林伐採とそれに伴うコーヒープランテーション化は土壌肥沃性の急激な低下をもたらした。また、中位段丘地の耕地は化学肥料使用が困難となり土壌肥沃度が最低のレベルとなっている。本研究はこれら土壌の肥沃性を修復する手段として現地に雑草植生を用いた実験圃場と現地生物資材である鶏糞とガマル(日陰植物)の葉の利用を考えた。本年度の結果は以下の通りである。 1)土壌肥沃性の評価として土壊微生物バイオマスを測定した。その結果、バイオマス炭素・窒素は施肥や植生により変化せず、糸状菌のバイオナスであるエルゴステロール含量が森林伐採により大幅に減少した。伐採3年目からエルゴステロールの急激な減少を生じた。つまり、伐採後の土壌微生物バイオマスの修復には糸状菌の役割が大きいことが示唆された。 2)上記糸状菌バイオマスは雑草植生で回復した。 3)雑草植生により小型のミミズ種の個体数が増加した。AMFの種類と数は有機物の施用で増加した。また、ミミズの糞はAMFの増殖を助けた。 4)被覆植物・植栽によるテラス化はテラス無しの被覆植物による土壌侵食防止と比べて、土壌浸食量が1/100から1/200に減少した。 5)化学肥料と鶏糞、緑肥混合区は雨期終了時において炭素含量と窒素含量を増加させるが、乾期終了時には無比量区と同じレベルとなった。これは、乾期において有機物の消耗が大きいことを示していた。 6)化学肥料と鶏糞、緑肥混合施肥区は乾期作物、雨期作物ともに単独施肥区と比べると収量が20〜30%増加した。 以上の研究成果はSoil Scil Plant Nutr. 土壌物理学会誌、熱帯農業学会誌、農業及び園芸等に7報掲載された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Can.T.O., Jamalam L., Sri Y., Nonaka.M: "Effect of Land Degradation on Soil Microbial Biomass in a Hilly Area of South Sumatra, Indones"Soil Sci. Plant Nutr. Vol.48 No5. 769-774 (2002)
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[Publications] 野中 昌法: "VA菌根菌と各種植物の共存・競争関係"農業及び園芸. 77巻 2号. 305-310 (2002)
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[Publications] 伊藤健吾, アファンディ, カルディン, 千家正照: "熱帯モンスーン地域のプランテーションにおける土壌保全"農業土木学会誌. 70巻 7号. 615-618 (2002)
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[Publications] Afandi, Tumiar, Manik, Bustomi, Rosadi, Muhajir Utomo, Masateru Senge, Tadashi Adachi, Yoko Oki: "Soil Erosion under Coffee Trees with Different Weed Managements in Humid Hilly Area of Lampung, South Sumatra, Indonesia"J. Jap. Soil Phys. No91. 3-14 (2002)
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[Publications] Afandi, Bustomi, Rosadi, Muhajir, Utomo, Masateru Senge, Tadashi Adachi: "Sediment Yield from Various Land Use Practices in a Hilly Tropical Area of Lampung Regions, South Sumatra, Indonesia"J. Jap. Soil Phys.. No91. 25-38 (2002)
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[Publications] 松本貞義: "熱帯域の農耕樹園地に生息する土壌動物"熱帯農業. 46巻. 100-105 (2002)
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[Publications] Tomonori Abe, Sambudhi S.Suwandhi, Wayan Sabe Ardjasa, Ho Ando, Akira Watanabe: "Incorporation of Nitrogen from Urea Fertilizer into Soil Organic Matter in Rice Paddy and Cassava Upland Fields in Indonesia"Soil Sci. Plant Nutr.. Vol48 No6. 825-832 (2002)