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2002 Fiscal Year Annual Research Report

因果観を手がかりとした道元の行為の理論の研究

Research Project

Project/Area Number 12610035
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

佐藤 光子 (頼住 光子)  お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (90212315)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高島 元洋  お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (90127770)
Keywords道元 / 禅 / 行為論 / 因果 / 世界構造 / 12巻本 / 善悪 / 規範
Research Abstract

三年間にわたる因果観を手がかりとした道元の行為の理論の研究によって、以下のような、三層からなる道元の考える世界構造が解明された。
1 世俗世界(俗)
2 仏道世界(修)
3 真理そのものの世界(証)
12巻本や清規、戒律は、まず、1の世俗世界から2の仏道修行の世界へと入る者を対象として叙述されており、1の世俗世界の論理、言葉を使いながら、2の世界への導入を果たそうとする。それ故、世俗世界の論理にのっとり、時間の直線的ながりを前提として、善因善果、悪因悪果の一般的、常識的因果論を用いる。(もちろん、1の世俗世界からの2の仏道世界への移行の呼びかけも、2の仏道世界の1の世俗世界から自立した世界としての確立も、3の真理世界あってこそなされるものである。それ故、その世俗世界の論理や説明方法にのっとった言葉も、当為としての言説も、世俗世界と表面的には重なった規範も、最終的には、人々を3の真理世界へといざなうための方便ということになる。)
また、12巻本や清規、戒律は、2の仏道世界を、仏道世界として1の世俗世界から切り離して自立させ、一つの独立した世界として、確定することをも目指している。それが、世界としての自立をめざす限りにおいて、そこでの言語は、1の世俗世界の二元対立原理に基づき、秩序の維持と、再生産を目指す言語と同一のものであらざるを得ないし、そこにおいては、世界を世界として確定することが当為として要請されることとなる。仏教教団としての僧伽の諸規範とは、まさに、教団のアイデンティティーの確立をめざしているのである。それに対して、75巻本は、2の立場から、3の世界の消息を、世俗世界の論理や言葉を逆説的、反語的に使用しながら、叙述したものといえる。そこで、本来言語化不可能なものを言語化するという逆説的事態を反映して、言語の独自の使用法が見られるのである。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 頼住 光子: "道元における確実なる世界-正法眼蔵 一顆明珠 巻を手がかりとして"お茶の水女子大学 人文科学紀要. 第56巻. 27-41 (2003)

  • [Publications] 頼住 光子: "道元の生死観-生死即涅槃・住法位・三世の因果"ぺりかん社 季刊日本思想史. 第62巻. 29-44 (2002)

  • [Publications] 頼住 光子: "道徳と宗教-盤珪を手がかりとして"日本道徳教育学会 道徳と教育. No.312・3. 226-236 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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