2002 Fiscal Year Annual Research Report
育児力の形成過程の解明-自己実現要求と育児労働との葛藤克服過程の分析を通して-
Project/Area Number |
12610125
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
瓜生 淑子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (20259469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 民子 平安女学院大学, 現代福祉学科, 教授 (40046470)
加用 美代子 滋賀文化短期大学, 人間福祉学科, 教授 (30214571)
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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Keywords | 育児肯定感 / 育児ストレス / 生活満足感 / 自己実現 / デンマーク比較調査 / 女子青年の育児期待 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 昨年度収集した国内データの分析を行った。あわせて、本年度回収したデンマーク・データについても分析し・比較した。 母親研究では423人を分析したところ、育児肯定感・育児ストレス・生活満足感では、就労者群と専業主婦群の差はみられなかった。しかし、それぞれの群で、就労していること・不就労であることが「本意」か「不本意」によって比較すると、育児ストレスでは差がないものの、育児肯定感・生活満足感については、現状が「本意」であるとする者の方が得点が高かった。また、就労・不就労を問わず、これらの指標を生活満足感が規定していた。仕事の質への期待(仕事観の「自己実現」尺度)が高いことが育児ストレスの高さに対応していた。と同時に、この指標は、就労群では、生活満足感とも肯定的に結びついていた。これらから、単に、就労・不就労によって育児意識等を分析するのでなく、就労への意欲や期待などとの関連で丁寧に分析することが必要なことが分かった。この研究をもとにし、さらに父親データとの比較やデンマークの父母との比較も行った。青年女子の育児期待についても、日本とデンマークの調査結果を比較し、肯定的育児意識形成の条件(生育歴、対児接触経験・家庭の開放性など)も分析した。 これらは、第14回日本発達心理学会及び滋賀文化短期大学紀要で発表される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 瓜生淑子, 加用美代子: "就学前児をもつ親の育児意識を基定する要因(1)"第14回日本発達心理学会発表論文集. 156 (2003)
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[Publications] 加用美代子: "育児期における女性のライフスタイルと育児意識の変化"滋賀文化短期大学紀要. 12. 21-38 (2003)