2001 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者と家族の精神的ストレス分析と生活支援プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
12610208
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
野口 典子 中京大学, 社会学部, 教授 (10142647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折居 忠夫 中京学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20045339)
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Keywords | 介護の継続 / レスパイトケア / デイサービス / 宅老所 / グループワーク / アクティビィティプログラム |
Research Abstract |
(1)平成12年度に岐阜県内の2カ所で行った「介護者の集い」に集まって下さった家族・介護者へのヒアリングを、13年度も継続して実施(この経費については、中部学院大学共同研究費によった)。そこで明らかになったことは、(1)痴呆性の老親や配偶者の介護を継続させるには、介護者自身の居場所を家庭の外に持つこと。(2)痴呆性高齢者が日中4〜5時間、自宅以外で過ごす場所が確保されていること。(3)すなわち、介護する側もされる側も「自宅」以外の関係持てる場所があること。(4)しかも、痴呆性高齢者にとっては、その場所や関係がなるべく固定していること。外出する時間、外部で過ごす時間などが規則的であること。(5)また、その他にホームヘルプサービス等社会福祉サービスを適宜利用することで、介護負担を軽減している。(6)かかりつけ医が常に状態を把握し、緊急対応を可能にしているものはもちろんのこと介護者の相談の窓口となっているなどであった。 (2)以上のことをふまえると、痴呆性高齢者が定期的に恒常的に通うことができるところといえば、現在ではデイサービスセンター、宅老所などがある。そこで本年度は、これらの中で、痴呆性高齢者に対して積極的な受け入れをし、なお高齢者個々人のニーズに則したプログラムを展開し、成果をあげているところへのヒアリングを実施した。この場合、高齢者が受けている様子を収録し、状態の変化について継続的に参与観察し、記録化するという方法を採った。現在分析中であるが、一部明らかとなったことは、小集団による作業への集中により、行動の変容、食欲の増進、介護者への対応の柔和さなどがみられるようになってきている。 (3)アメリカ、イギリスで開発されている痴呆性高齢者への環境的精神的アプローチの方法について、文献研究を行っている。
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