2002 Fiscal Year Annual Research Report
大学組織のマーケティング活動に関する内部・外部環境分析からの実証的研究
Project/Area Number |
12610292
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Research Institution | University of Hamamatsu |
Principal Investigator |
田部井 潤 浜松大学, 国際経済学部, 助教授 (50267861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 淳 国士舘大学, 文学部, 助教授 (20215057)
大森 正之 明治大学, 政治経済学部, 助教授 (40267860)
鈴木 孝光 浜松大学, 国際経済学部, 助教授 (50281457)
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Keywords | 大学組織 / マーケティング活動 / 内部資源分析 / 外部環境分析 / 国際化 |
Research Abstract |
本年度は、次の4点について研究を進めた。 第一に、昨年度実施した調査結果の分析を進めた。内部資源、外部環境のデータ及びミッション・ステートメントに関する自由記述の分析結果については、雑誌論文並びに日本教育社会学会第54回大会で報告した。また、大学のマーケティング戦略の一例である大学の「国際化」に関する分析結果についても、雑誌論文並びに異文化間教育学会第23回大会で報告した。さらに上記の結果については、昨年度設置したホームページ(http://home.hamamatsu-u.ac.jp/~tabei)においても追加公開した。 上記2件の分析結果から、以下の所見が得られた。 (1)日本の大多数の私立大学においては、ミッション・ステートメントの重要性がまだ十分に理解されておらず、それが、具体的なマーケティング戦略や戦術と誤解されていることが分かった。 (2)大学の「国際化」に関しては、喜多村和之が指摘している「国際型」の大学と「国内型」の大学への2極化傾向が確認された。しかし、その2極化は必ずしも、大学の規模や伝統だけではなく、留学生(とりわけ中国人留学生)に対する定員充足のためのマーケティング活動が作用していることが推測された。 第二に、昨年度の研究結果から、私立大学のマーケティング戦略に関する事例研究の必要性が指摘された。そのため、昨年度の調査回答校(182校)に対して、事例調査の許可を申し込んだが、同意を得られた大学はなかった。 第三に、私立大学の内部資源としての「財政問題」に関して、追加インタビュー調査を実施した。 第四に、本年度は、3年計画の最終年度にあたるため、これまでの研究結果を研究成果報告書としてまとめた。
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[Publications] 田部井 潤, 鈴木孝光: "私立大学マーケティング-大学の内部資源と外部評価の関係から-"国際経済論集. 第9巻第1号. 55-58 (2002)
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[Publications] 田部井 潤, 鈴木孝光, 栗栖淳: "私立大学の国際化とマーケティング"国際経済論集. 第9巻第2号. 147-152 (2002)
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[Publications] 田部井 潤, 鈴木孝光, 栗栖淳: "私立大学の国際化とマーケティング戦略"異文化間教育学会第23回大会発表抄録. 122-123 (2002)
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[Publications] 田部井 潤, 鈴木孝光, 栗栖淳: "私立大学のマーケティング(2)-定量・ミッションステートメントの分析結果から-"日本教育社会学会第54回大会発表要旨集録. 116-119 (2002)