2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国の少数民族教育におけるウイグル民族のアイデンティティ
Project/Area Number |
12610313
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University, Faculty of Human and Social Science |
Principal Investigator |
藤山 正二郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (30113244)
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Keywords | 中国 / ウイグル民族 / 教育 / 結婚 / イスラム |
Research Abstract |
今年度も同じ調査地であるホータンに行く予定であったが、ホータン空港が工事のため閉鎖されており、他のルートで行くには時間がかかりすぎるという理由で、新疆ウイグル自治区の首都であるウルムチで、ホータンなどの南新疆出身者に話を聞くことにした。 ホータンなどの南新疆の各都市が、改革開放にもかかわらず、経済が停滞しているのに反して、ウルムチの発展と変化はすさまじいものがある。当然ながら、ホータンなどからも多くの人が職を求め、また学生として、ウルムチに移り、人口増加も激しい。 まず、新疆師範大学の学生に聞く。かれらはこの大学で大学の授業を理解できるように、中国語を学んでいる。それから専門に応じて各地の大学に進んでいく。このことはホータンなどで小学3年から教えられている中国語がまったく身についていないことを示している。学生は小中学の中国語の先生の能力を問題にした。先生自身が中国語を知らないのに、どうして教えることができるのか。また、南新疆では漢人よりウイグル人が圧倒的に多く、中国語を話す機会もなく、ウルムチに出るか、大学進学をしなければ、中国語の必要性はない。多くの人が中学卒業後、農業を継ぐのだから、高校から集中して中国語を教えるほうが効果的だという意見もあった。ウイグル民族への中国語教育は国家統一への政治的手段として行われているのだから、その効果は語学的成果としては考えるべきではないのだろう。行うことに意味がある。 ウルムチなどウイグル人の結婚式は改革開放後、派手になっている。1000人ぐらいの招待客を集め、客の祝い金も値上がりしている。血縁地縁、同じ会社などいろいろなつながりが大切にされ、招き招かれで、出費がかさむと嘆く声も聞かれる。
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