2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610383
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岩井 経男 弘前大学, 人文学部, 教授 (10113771)
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Keywords | ローマ / 帝国 / 都市 / イタリア |
Research Abstract |
本年度は、ポンペイ、ミラノ、ローマ、その他北イタリア都市の研究を中心に行った。その際、スペインのローマ都市を比較の対象とした。スペインは他の属州に比べローマ化がきわめて早くから行われ、都市の建設、公共建築物の整備もかなり早い時期に始まっている。 スペインと比べイタリア都市のローマ化は思ったほど早くない。同盟市戦争後、イタリア都市は一斉に都市の整備にエネルギーをそそぐ。この時代は、ローマ史では一般に「内乱の一世紀」と呼ばれ、内乱の打ち続く混乱の時代と理解されるが、イタリア地方都市のレベルでは、建築ブームの時代である。 イタリア都市内部の社会に目を向けると、共和政末期から解放奴隷の社会進出が目覚しい。碑文から同職組合の幹部などに解放奴隷出身者が就任している例が多数見られる。 今回のイタリア・スペイン調査において、ミラノ市立博物館館長・アルスラン博士、ミラノ大学教授・サルトーリ博士などと意見を交換することが出来た。 最近豊かな成果を上げているイタリア考古学を援用し、中間的まとめをすると、共和政末期から元首政期の時代、イタリア地方都市は一見、都市ローマの政治状況とかなり異なる姿をあらわしているように見える。
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