2002 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジアにおけるチャシと防御性集落の成立過程とその環境変遷
Project/Area Number |
12610426
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
右代 啓視 北海道開拓記念館, 学芸部, 資料課長 (30213416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 守雄 北海道開拓記念館, 学芸部, 特別学芸員 (70132826)
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Keywords | オホーツク文化 / 擦文文化 / アイヌ文化 / 古代 / 中世 / 古環境 / 気候変動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アイヌ文化期のチャシの起源を再検討するとともに、その成立過程について明らかにするものであり、北東アジアの中にチャシがどのように位置づけられるか遺跡の立地環境や遺構、遺物などから具体的に比較検討するものである。 さらに、平安海進期(8世紀と10世紀の二つの温暖のピーク)以降の環境変化を明らかにするとともに、チャシの成立過程や文化、人の移動などに環境の変化がどのように影響を与えたか、その全貌を明らかにするものである。昨年度に引き続き実施した。 平成14度の研究実績について、目的に添って次のとおり実施した。 1 北東アジアにおけるチャシと防御性集落の考古学的調査 1)関連遺跡の遺跡立地・環境調査については、東北〜北海道太平洋沿岸域を中心に、これまで発掘調査が行われた防禦性集落、館、柵等、未発掘のチャシなど遺跡の現地踏査を実施した。 2)年代ごとに遺跡分布状況をデータ化する作業については、北海道内のチャシのデータベースと調査を行った。また、写真についてデジタル化の作業をおこなった。 3)遺物の構成変化と年代の検討については、1)と2)の調査やデータ収集に基づき年代等の整理を行った。また、当館に収蔵している動物遺依体についての検討をおこなった。 4)北東アジアとの比較検討を行うため関連文献等の収集を行った(特に中国・ロシア関係の文献史料)。 2 環境変化に関する地質学的調査 1)湖沼・河川を中心とした地質調査については、北海道の太平洋沿岸域を中心に現地調査を実施した。 2)遺跡から検出されたテフラの再検討(特にテフラ年代について)については、情報の収集を行った。 3 その他 考古学、自然科学などの研究会で、研究成果の一部を発表した。
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