2000 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル語を中心としたアルタイ系言語との比較による日本語の活用の発生論的研究
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12610432
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木田 章義 京都大学, 文学研究科, 教授 (30131486)
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Keywords | モンゴル語 / 日本語 / 比較文法 / チャハル方言 |
Research Abstract |
本年度は、モンゴル語関係の書籍の目録を作成し、資料の収集を行った。特に、モンゴル語の方言の調査を行い、チャハル方言の特徴を明らかにすることに重点を置いた。この方言調査の資料を整理しつつある。 日本語については、モンゴル語との文法的な差を明らかにするために、モンゴル語の接辞の意味と用法を基準として、日本語ではそれを助動詞で表現するのか、助詞で表現するのか、それとも助動詞も助詞も使わず、表現全体で表すのかという、モンゴル語を基準とした接辞の対応関係を中心に分析を行った。 モンゴル語の場合には、モンゴル語の歴史的な研究も進んでいるので、『元朝秘史』をはじめとする歴史的文献の読解が必須の要件となるが、これらの読解にはかなりの基礎学力を必要とする。この訓練にも時間を割き、歴史的文献が有効に利用できる体勢を整えることも、次年度に向けての準備として、力を入れた。まだ十分とは言えないが、漢字を用いてモンゴル語を写す方法についての概略の知識は得られた。 本年度はすべて次年度以降の研究を推進するための準備作業に終始したが、その面ではかなりの成果をあげることができた。
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