2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 昌司 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (00047151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 卓也 九州大学, 大学院・法学研究院, 助教授 (40272413)
川嶋 四郎 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (70195080)
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Keywords | 遺言執行者 / ベルギー / 当事者適格 / 訴えの利益 |
Research Abstract |
本研究の本年度の研究実績は、以下の通りである。 第1に、ほぼ2ヶ月に一度の割合で、共同の研究報告会を開催した。具体的な内容は、以下の通りである。 6月:「任意的訴訟担当の許容性について」八田卓也 7月:「遺言執行者の地位について」篠森大輔 8月:「判例研究(遺言執行者の職務権限が認められた事例)八田卓也 10月:「判例研究(遺言無効確認の訴えの利益)」八田卓也 12月:「1883年ベルギー王国民法改正予備草案理由書」伊藤昌司 2月:「判例研究(具体的相続分の確認を求める訴えの利益)」川嶋四郎」 いずれの研究会においても、家庭裁判所の裁判官・調査官等の出席を仰ぎ、有意義な指摘・示唆を賜った。 以上の他、伊藤は、フランス法系の遺言執行制度研究の一環として、明治大学の図書館に所蔵されている資料を入手し、ベルギー王国(当時)の1883年の民法改正予備草案の遺言執行者に関係する部分を調査・研究し、その成果を、「ベルギー王国・民法改正予備草案理由書」 (訳注付翻訳)にまとめた。 川嶋は、文献収集・ヒアリングを通じ、遺言執行者の職務対象たる実体的事項に関する研究を行った(「具体的相続分(民法903条1項)の価額または割合の確認を求める訴えの適否」法学セミナー550号115頁はその成果の一環である)。また、日本大学図書館、名古屋大学図書館等で、アメリカ遺言法に関する文献を収集した。 八田は、日本における遺言執行関係の最近の最高裁判例を研究した。また、ドイツ連邦共和国のケルン・ベルリンにおいて、遺言執行制度に関する学説・実務の現況調査に従事した。 以上得られた知見をもとに、次年度において、日本における遺言執行者の実体・訴訟上の権限のあり方について、綜合的な考察を試みる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 川嶋四郎: "具体的相続分(民法903条1項)の価額または割合の確認を求める訴えの適否"法学セミナー. 550号. 115 (2000)
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[Publications] 八田卓也: "遺言執行者の訴訟当事者適格"法学セミナー. 545号. 108 (2000)
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[Publications] 八田卓也: "遺言者の生存中にする遺言無効確認の訴えの適否"民商法雑誌. 112巻6号. 875-879 (2000)