2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620069
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
福田 雅章 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20029739)
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Keywords | 死刑廃止 / 死刑執行停止 / モラトリアム運動 / 被害者感情 / 死刑代替刑 / 絶対終身刑 / アメリカ |
Research Abstract |
1.平成13年度科学研究費補助金にかかわる研究活動実績としては、第1に、イギリスの共同研究者であるオックスフォード大学のロジャー・フッド教授およびウェストミンスター大学のビーター・ホジキンソン教授とともに昨年度完成した「死刑廃止へ向けてのプロセスに関する調査票」(Questionnaire on the Process Towards Abolishing Death Penalty)を死刑廃止国(事実上の廃止国を含む)の関連機関(大学および司法省)に発送(E-メールによる発送を含む)し、35カ国から回答を得た。しかし、これは、質問票を発送した死刑廃止国のおよそ3分の1に過ぎず、急遽、調査対象機関を未回答国のNGOにまで広げて調査票の回収率の向上に努めている。 2.第2に、アメリカ合衆国における各州の死刑廃止・復活の実態を調査するために、アメリカ向けに改訂した調査票を作成し、それを各州の司法省およびNGOに送付し、35州から回答を得た。 3.第3に、2月には、福田が渡米し、(1)モラトリアム運動の実態(特に、9.11テロ発生事件後の厳罰化要求の高まりが死刑執行モラトリアム運動に与えている影響)とそれを支える理論的課題(三権分立論との相克)、(2)被害者感情の解決策、(3)死刑に代替する刑罰のあり方(アメリカにおいては仮釈放を許さない絶対終身刑が支持されているが、それが死刑の本質論および機能論とどのような関係を有しているかという理論面を含む)といった、死刑廃止へ向けての3つの中心的な問題に関して聞き取り調査を行った。ハーバード・ロー・スクールでの討議、殺人被害遺族和解の会(Murder Victim Families for Reconciliation)のメンバーからの聞き取り調査、およびイリノイ死刑執行モラトリアムプロジェクトでの調査は有益であった。
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Research Products
(1 results)