2001 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦後の米国の外交政策決定における国内要因の影響について
Project/Area Number |
12620094
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 直樹 武蔵工業大学, 環境情報学部, 助教授 (00298019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高杉 忠明 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授 (50197092)
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Keywords | 国際関係 / 米国外交 / 冷戦後 / 国際要因 / 国内要因 |
Research Abstract |
平成13年度は、米国における政権交代に伴って、クリントン政権とブッシュ新政権とで対外政策の決定過程にどのような変化が見られたかについて、関係者よりの意見聴取および情報収集を行った。具体的には、大統領選挙期間中の対外政策についての公約が、政権発足後どのようになったか、政策決定においてどのような要因が重要かといった点などについて、現地での調査と収集した情報の分析を行った。また、研究最終年にあたるので、昨年度の研究結果もふまえつつ、分析結果全体のまとめも試みた。 冷戦の終焉にともなって、米国では、政策課題としての対外政策の重要性に明らかな低下傾向が認められた。クリントン政権から始まったこの状況は、2000年の大統領選挙においても同様であった。ブッシュ新政権には、共和党前政権期(第41代ブッシュ大統領)の対外政策スタッフの多くが加わり、副大統領を中心に対外政策が運営される傾向が認められた。 しかしながら、2001年9月の世界貿易センタービルおよびペンタゴンへのテロ攻撃で、この状況は大きく変わった。政策課題としての対外政策の重要性が再び高まり、大統領を中心とした政策決定方式が再び見られるようになっている。 この状況は、冷戦期にも見られた状況である。しかしながら、国際テロリズムは、冷戦期の核兵器問題とは異なる問題である。すなわち、テロリズムは、グローバル・イシュー、すなわち国際集合財問題の一つであり、効果的な対応には国際的な協力が不可欠である。また、国際的な対応と同時に、国内的な対応も必要となるという点で、核兵器問題とは異なる対応が必要である。
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