2002 Fiscal Year Annual Research Report
行政評価の新次元―地方分権下における文化行政施策を中心に
Project/Area Number |
12620102
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
重森 臣広 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50235529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆知 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (10268146)
勝村 誠 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (80319491)
村山 皓 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50230016)
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Keywords | 地域政策 / 文化行政 / 行政評価 / 社会行政 / 情報化 / データベース |
Research Abstract |
行政変容の動態を文化施策に焦点をあてながら明らかにすることを課題とする本研究は、変容動態の比較論的かつ歴史的視角からする研究および経験的・実証的視角から現代日本における行政変容の記述と説明をめざす研究からなる。本年度においては、以下の二点を中心に研究を行なった。 (1)京都府井手町における地域文化振興に関するアンケート調査 本調査はこの研究プロジェクトにおける上記二つの視角のうち、経験的・実証的な研究によるものである。京都府南部地区に位置する井手町において、「井手町の地域文化の振興とまちづくりについてのアンケート調査」の設計と実施が本年度の研究の柱である。これは井手町内の約3100世帯、約7200人を対象とする調査であり、郵送によって質問票が送付され回収された(実施日は2003年3月7日〜17日)。「まち」への愛着の度合い、町内文化施設の利用頻度および利用実態、社会活動への参加、今後の文化施策展開にまつわる希望、地方選挙における投票動機、近隣自治体との広域連携などに関して合計22の質問項目からなるアンケート調査である。調査結果は、昨年・一昨年に実施された他の調査結果とあわせて次年度の最終報告の基礎資料となる。 (2)英国社会科学振興協会紀要(1857年〜1878年) 英国社会科学振興協会(National Association for the Promotion of Social Science)は、英国における産業化の盛期に結成された社会科学の実践組織であり、噴出する社会問題にたいして高い応答力をもちえなかった当時の政党、議会の代替的政策立案組織であった。「在野議会」あるいは「第二の議会」などと呼ばれ、充分な意志疏通を欠いていた当時の中央地方関係に新たな連携関係をもたらしたこの組織の全体像を明らかにするための基礎資料として、本年度は(すでに稀覯刊行物となっている)同協会の紀要(Transactions)の論文・記事索引を作成し、これをオンラインで利用可能なデータベースとする作業を行なった(ローカルエリア内のサーバーで試験運用中)。この協会を素材とする研究の理論的意義は、民同主導の政策立案連動の先駆的形態であること、また、社会問題の視野を、教育はもとより当時の労働階級の文化的陶冶へ拡げるさきがけ的役割を果たしたこと、さらにはこうした民間主導の運動が(とりわけ)地方行政の組織的・政策的変容に結びついたことにある。
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Research Products
(1 results)