2000 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境問題の経済分析:環境問題をめぐる利害・協調行動のケーム論的接近と非線形動学理論に基づいた長期的観点からの環境問題対応政策に関する総合研究
Project/Area Number |
12630019
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 敏夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30120950)
有賀 裕二 中央大学, 商学部, 教授 (40137857)
浅田 統一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (20151029)
横山 彰 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60137792)
三澤 哲也 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (10190620)
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Keywords | 環境 / 微分ゲーム / 動学的最適化 / 再生可能資源 / 人口問題 / 非線形動学 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
・1970年以降動学的な観点からの環境経済学に関する研究が散見されるようになってきた。これらの研究では、ポントリヤギン流の動学的最適化手法を使い、単一主体モデルにおける政府環境政策の経済学的な意味について調べられている。近年にはいり、動学的および静学的ゲーム理論による複数の経済主体間の相互作用に焦点を絞った研究も現れてきている。たとえば、政府と民間部門の利害対立、魚民間の漁業権を巡る衝突、経済主体の協力的な行動あるいは非協力的な行動がグローバルな環境に対して与える影響などについてゲーム理論的なアプローチによる研究が盛んになってきている。本研究では動学的な視点から環境経済をゲーム理論的に考察するが、その際に見過ごされてきた点を強調する。すなわち、自由主義経済における経済主体を「資本家」と「労働者」にわけ、各グループの利権の対立に焦点をあてる。実際には、資本主義の微分ゲームのフレームワークに環境要因を組込み、得られる階の経済学的な意味につてい調べた。(浅田、稲葉、三澤、厚見) ・太平洋上に浮かぶ小さな島、イースタ島は、大きな石像であるモアイ像で有名であるが、その歴史は不明な点が多い。最近の考古学の研究により、ポリネシア人が紀元400年頃に初めて島を訪れ、一時期人口も10000人近く生存し、隆盛を極めたが、その後文明の衰退とともに経済も崩壊し、18世紀中庸にトーマス・クックが島を訪れたときには、原始時代さながらの悲惨な生活状況であったらしい、ということがわかってきた。孤立した島の栄枯盛衰は、スケールを変えれば、地球にすむ我々の直面する問題と共通したものがある。イースタ島の変動を再生資源問題と人口変動の観点からとらえ、経済モデルを構築し、どのような要因により経済の変動が起こり、滅亡してしまったか、あるいはどのような「経済政策」を施せば、イースタ島は再生可能であったかを理論的およびコンピュータシミュレーションにより調べ、地球規模での環境汚染が進む現代の我々にとっても、もはや人事ではなくなっている環境問題について考察を加えた。(松本、有賀、横山)
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[Publications] T.Asada,T.Misawa,T.Inaba: "Chaotic Dynamics in a Flexible Exchange Rate System"Discrete Dynamics in Nature and Society. 4. 309-317 (2000)
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[Publications] T.Asada,T.Misawa,T.Inaba: "Nonlinear Economic Dynamics in a Two Country Model with Fixed Exchange Rate"Proceedings of 2000 International Symposium on Nonlinear Theory and its Application 2,. 2. 515-518 (2000)
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[Publications] T.Misawa: "Energy Conservative Stochastic Difference Schemes for Stochastic Hamilton Dynamical Systems"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematic. 17. 119-128 (2000)
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[Publications] T.Misawa: "Numerical Integration of Stochastic Differential Equations by Composition Methods"京都大学数理解析研究所講究録. 1180. 166-190 (2000)
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[Publications] William A.Barnett: "Commerce, Complexity, and Evolution"Cambridge University Press. 394 (2000)