2001 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境問題の経済分析:環境問題をめぐる利害・協調行動のゲーム論的接近と日線形動学理論に基づいた長期的観点からの環境問題対応政策に関する総合研究
Project/Area Number |
12630019
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 彰 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60137792)
有賀 裕二 中央大学, 商学部, 教授 (40137857)
厚見 博 中央大学, 総合政策学部, 教授
三澤 哲也 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (10190620)
稲葉 敏夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30120950)
|
Keywords | 環境 / 微分ゲーム / 動学的最適化 / 再生可能資源 / 人口問題 / 非線形動学理論 / ゲーム理論 / コンピュータ・シミュレーション |
Research Abstract |
*理論的分析は主要要因の相互依存関係の解明に焦点が当てられるため、捨象された要因の影響については分析ができない。そこで、これらを「不確実性」要因としてまとめ、それが環境問題に及ぼす影響を考察することを目的として、伝統的な経済マクロモデルにたいするノイズ分析を行った。理論的分析とともに、コンピュータによる数値シミュレーションを行った(稲葉・三澤) *上記と同様な問題意識から,動学方程式を確率微分方程式(SDE)により構築し、SDEのもつ構造や特性を保存するような近似・数値スキームの作成法(いわゆる合成法)をLie代数の手法を利用して定式化をし、その「大局的」な近似誤差評価を与えた。合わせて数理ファイナンスにおける危険試算モデルとしてよく用いられる累乗根型ボラティリティをもつ非線形確立系のシミュレーションに対し、本手法が役に立つことを示した(三澤・有賀)。 *カオス動学を生み出すような複雑系モデルの評価をするアプローチに長期的な動向を探る考え方がある。そこで、簡単なマクロモデルを構成し、カオス軌道上で得られる利潤の平均的な値と定常点において得られる利潤を比較することを試みる。ただ、動きが複雑なので数理的な分析は極限られてた状況に限定され、後は主にコンピュータにによる数値シミュレーションを行う。その結果、長期平均利潤が定常利潤よりも大きくなる可能性も有ることが示された。定常状態を何らかの経済に対する制御可能な状況と理解するならば、政府が短期的な視点から経済安定化のための市場介入は必ずしも長期的には支持されないという解釈が可能になる(松本、横山、厚見)。
|
-
[Publications] 稲葉敏夫, 浅田統一郎, 三澤哲也: "Nonlinear Macroeconomic Dynamics : A Study of noise Effects,"電子情報通信学会・信学技報. NLP2001-64. 79-88 (2001)
-
[Publications] 松本 昭夫: "Let It Be : Chaotic Price Instability can be Beneficital"電子情報通信学会・信学技報. NLP2001-64. 110-118 (2001)
-
[Publications] 松本 昭夫: "Profitable Inventory Chaos in a Macro Disequilibrium Dynamic Model"Central European Journal of Operations Research. 9. 51-70 (2001)
-
[Publications] 三澤 哲也: "A Lie algebraic approach to numerical integration of stochastic differential equations"SIAM Journal on Scientific Computing. 23. 866-890 (2001)
-
[Publications] 三澤 哲也, 森 隆一: "ウェーブレット関数系による時系列データの平滑化"計算機統計学. 14. 1-14 (2001)